チャットボットの導入効果と導入方法|現場で得られるメリットとは?

2024.06.13

チャットボットは多くの企業で導入が進められていますが、導入することでどのような効果が期待できるのでしょうか。

チャットボットの導入を具体的に検討されているのであれば、導入のメリットを理解した上で、適切なチャットボットを選定することが大切です。

この記事では、チャットボットの導入効果や導入の手順、運用後に効果を出すための効果測定について解説します。

チャットボット導入の効果

チャットボットを導入すると多くの効果が期待できます。
具体的にどのようなメリットを得られるのか、詳しくご説明します。

対応数が減り業務効率化できる

お客様からの問い合わせ対応にチャットボットを活用すると、スタッフが行っていた電話やメールでの対応を介さずともお客様自身が問題を解決できるようになり、スタッフの負担が軽減されます。

スタッフはクレーム対応や個別の相談といった、複雑な問合せを中心に対応すればよくなるため、他の業務に注力することができ業務の効率化に繋がります。

外部委託費用の削減

チャットボットを導入することで、お客様が自分で問題を解決できるケースが増えます。そのため、カスタマーサポート業務を外部委託している場合は、外部委託費用の削減に繋がります。

問い合わせの回答に個人差がない

人に頼った問い合わせ対応では、知識や経験の違いから対応にバラつきが出てしまうリスクがあります。対応する担当者によって返答が異なると、お客様の混乱を招き、新たなトラブルに発展してしまうという懸念もありますが、チャットボットを導入することにより応対品質を均一化することが可能になります。

データの利活用ができる

チャットボットでは、問い合わせに対応した履歴を蓄積し、そのデータを分析することができます。

お客様は電話やメールで問合せするよりも、チャットボットの方が気軽に質問しやすいと感じる傾向があります。そのため、より多くの対応機会を得ることができ、データを収集しやすいという特徴があります。

この問い合わせデータを紐解いていくことでお客様の悩みや深いニーズを知るきっかけになるかもしれません。

24時間365日時間を問わずに対応できる

チャットボットは質問に対して自動で返答をしていくため、24時間365日体制で対応することができます。深夜や早朝の時間でも、お客様のタイミングでチャットボットが利用できます。

「電話対応の時間内に問い合わせることが困難」という理由で問い合わせを諦めていたお客様との接触の機会を得ることができます。

顧客満足度の向上

チャットボットは「好きなタイミングで利用できる」「電話の待ち時間が不要」というように、時間を問わずに気になる疑問をスピーディーに解決できるツールです。

「対応時間が限られる」「なかなか電話が繋がらない」といった課題を解決することでユーザーのストレスを減らし、顧客満足度の向上にも繋がります。

コンバージョン率の増加が見込める

Webサイトにチャットボットを導入すると、コンバージョンの増加を見込めるという効果もあります。

インターネット上には多くの情報が溢れていますので、訪れたサイトの中に「求めている情報がない」と判断されると、ユーザーはすぐにそのサイトから離脱してしまいます。

チャットボットはちょっとした疑問をスピーディーに解決できるので、探している情報をチャットボットで問合せできると、ユーザーの離脱防止とコンバージョン率のアップが見込めます。

問い合わせのハードルが下がる

お客様の中には、「電話は苦手だからわざわざ問い合わせをしない」という方も一定数存在します。

チャットボットは電話よりも気軽に利用でき、問い合わせのハードルが下がるという傾向があります。

今まで電話で問い合わせをしてこなかったお客さまの層からも問い合わせがくるようになり、より多くのお客さまの声を獲得するチャンスに繋がります。

社内教育に活用できる

チャットボットはカスタマーサポートだけでなく、社内教育にも活用可能です。

例えば新入社員の疑問や問題点を解決するためのツールとして活用すれば、新入社員は他の社員へ質問せずとも問題を解決できるようになります。

同じ質問を何度でも気兼ねなく行うことができ、昼夜問わず、質問したいタイミングで確認できることも大きなメリットです。

新入社員は納得するまで問題点の解決に取り組むことができ、他の社員は質問に答える時間を他の業務にあてることで社内全体としての生産性を向上させる事が可能となります。

テレワークの効率がアップする

テレワークを導入している企業は増加していますが、テレワークでは周囲に質問ができる社員がいないために業務効率が低下してしまうケースがあります。

ちょっとした疑問でも、メールやチャットを介して質問する必要があり、相手の返信を待つためのタイムロスも悩みの種となります。

社内ツールとしてチャットボットを導入することで、社員間の問い合わせ負担を減らせるだけでなく、周囲に質問が出来る社員がいない場合であっても、即座に疑問を解決することができ業務効率を下げずに仕事ができるようになります。

知見の集約による離職リスクの軽減

社内の知見・知識を一元管理できるのも、チャットボットのメリットのひとつです。

例えば、業務マニュアルに関する質問を受けた際、これまでは経験や知識の豊富な社員しか答えられないという状態になっていたかもしれません。

しかしチャットボットで情報を一元化させておけば、誰でも情報を得られ、属人化しがちな業務でも社内全体で対応することが可能となります。

経験や知識の豊富な社員が離職することになったとしても、そのリスクを最小限に抑えることに繋がります。

チャットボットの導入方法

ここからはチャットボットを導入する際の手順について、ご紹介します。

導入目的を決める

まずは、なぜチャットボットの導入が必要なのかという目的を決めます。

チャットボット導入の目的が設定できると、必要な機能が明確になり、運用後にどのような効果検証が必要かがわかってきます。

チャットボット導入の効果について複数ご紹介しましたが、導入する際にはその目的を明確にしておくことがとても重要です。

チャットボットのプラットフォームを決める

チャットボットの導入目的を決めたら、設置するプラットフォームを決めます。

  • Webサイト
  • LINEのトーク画面
  • Facebookメッセンジャー
  • 社内チャットツール

上記のような選択肢がありますが、全てのチャットボットがどこにでも自由に設置できるとは限りません。

導入直前に希望のプラットフォームに設置できない、というトラブルにならないよう、事前に希望の設置場所を決めておくことが大切です。

運用担当者を決める

チャットボットの導入時には、ツールの設定やベンダーとのやり取りが必要となります。その後の運用改善をスムーズに行うためにも、導入前に担当者を決めておきましょう。

運用後には、利用状況の分析やシナリオ改善を行うことが必要不可欠ですが、自社で対応が難しい場合は運用改善までサポートしてもらえるツールベンダーを選ぶ必要もあります。

導入前には運用担当者と担当者の役割についても検討しておくことが大切です。

目的に合うチャットボットの選定

導入目的に対して適切なチャットボットツールを選定していきます。

どんなに機能が充実しているチャットボットだとしても、全ての企業にマッチするとは限りません。

チャットボットによって対応できる内容や機能が異なりますので、誤った選択をすると自動化できる範囲が限定されてしまうというリスクがあります。

機能やサポートは費用だけでなく、スケジュールにも影響するため、活用シーンや導入の目的、予算感やスケジュールも考慮しながら、チャットボットを選定することが重要です。

シナリオを構築する

チャットボットが決まったら、シナリオを構築していきます。

シナリオとは、お客様がチャットボットと会話をしていく流れを指し、目的の情報までどのようにご案内するかを設定するものです。

フローチャートのように大きな質問から、回答に応じて選択肢を絞っていきます。

その際、実際の問い合わせを想定しながらシナリオを構築することがポイントです。

構成されたシナリオが実際の問い合わせ内容とマッチしなければ、ユーザーはスムーズに答えまでたどり着けないといったストレスを感じる可能性がありますので、シナリオの構築は大変重要な作業です。

テスト運用を開始する

シナリオの構築が完了したら、テスト運用を開始します。

初めて利用するユーザーにも分かりやすくするために、直観的に使いやすいデザインにしたり、使い方のヒントを表示するようにしましょう。

本格的な運用を開始

テスト運用に問題がなければ、本格的に運用を開始します。
運用後も、都度アップデートを行い回答精度を高め続けることが大切です。

チャットボットの効果測定

チャットボットの導入効果を上げるために重要なのは、運用後の効果測定です。

目的を達成するためには定期的な効果測定、改善・実践のPDCAを回していく必要があります。

チャットボットの導入により効果が得られたかを判断するためには、きちんと効果測定をしなければなりません。

導入目的を達成できたのか、達成できていない場合はどのように改善していくべきなのかを以下のような効果測定で明らかにしていきます。

問い合わせ対応件数の削減率

チャットボットを導入し、スタッフの負担を軽減させたいという目的があるならば、電話やメールでの問い合わせ件数がどう変化したかを確認します。

スタッフやオペレーターが直接対応する件数が減っていれば、チャットボット導入の効果があったと考えられます。

チャットボット導入後も対応数に変化がなければ、設計やデータ学習、システムの連携が適切に行われているかを見直す必要があります。

チャットボットの起動回数と対応回数

チャットボットを導入しても、ユーザーに使ってもらえなければ成果を発揮できません。

起動回数があまりにも少ない場合は、設置場所に問題があるかもしれません。

チャットボットに気付いていない、使い方がわかりにくいという課題がある可能性があります。

また、対応回数を改善させるためには、初回の会話によくある質問を表示するなど、使いやすくするような工夫を加える必要があります。

チャットボットの回答率と解決率

回答率とはチャットボットがユーザーの質問に対して回答した割合を示すものであり、解決率とはユーザーの疑問を解決できた割合を示すものです。

チャットボット利用時、最後に「問題が解決しなかった場合はボタンを押してください」という文言でアンケートへの回答を促すと、その割合を測定しやすくなります。

回答率や解決率の数字が低い場合は、シナリオやデータの修正が必要です。

サイトへの遷移数

自社製品やサービス、商品の購入を促したいという目的がある場合は、チャットボットを介してのECサイトやサービスサイトへの遷移数を計測します。

サイトへの遷移数が多いほど、チャットボットが有効な情報を提供できていると評価できます。

もしサイトへの遷移数が低い場合は、チャットボットのコンテンツや導線を見直す必要があります。

コンバージョン率

チャットボットの導入を通じて、お客様の行動促進を目的にしているのであればコンバージョン率の確認が必要です。

商品の購入や会員登録といった内容だけでなく、資料請求や問い合わせといったコンバージョンに繋がりやすい項目も用意しておくことが重要です。

ユーザーの満足度

チャットボットの満足度とは、問い合わせの質問が完了した後にチャットボットの対応そのものに対し満足したかを問うことが一般的です。

チャットボットの導入は顧客満足度の向上が目的だという企業も多いので、満足度が低ければ改善点を探す必要があります。

満足度はチャットボットの使いやすさ、回答のわかりやすさ、使用感など多くのポイントが含まれています。

チャットボットの導入効果を高める

チャットボットは導入しただけで終わりではなく、定期的な効果測定、改善・実践のPDCAを回していくことが重要です。

そしてチャットボットの導入効果を最大化するために必要なことは、「解決したい課題は何なのか」という導入の目的を明確にすることと、その課題解決に適切なチャットボットを選定することです。

トゥモロー・ネットが提供するCAT.AIは、ボイスボット(音声対話AI)とチャットボット(テキスト対話AI)を同時に利用できる最新の「ナビゲーション型」対話AIです。

双方の利点を最大限に活かし、わかりやすくナビゲーションし、AI対応の完了率を向上していきます。

簡単にデモ体験も実施いただけますので、チャットボットの導入をご検討の際は是非お問い合わせください。

ボイスボット×チャットボットの簡単デモ体験

この記事の筆者

TOMORROWNET

株式会社トゥモロー・ネット

AIプラットフォーム本部

「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、生成AIと連携したサービス「CAT.AI GEN-Bot」を筆頭に6つのサービスが含まれ、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。

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