Web接客とは?導入するメリットとCVR改善事例について解説します

2024.08.15

Web接客とは、Webサイトに訪れたユーザーに対し、チャットボットやポップアップといったツールを用いて対応する手法です。

実店舗のようにユーザーの疑問にリアルタイムに答えたり、おすすめの情報を表示したりすることで、売上やコンバージョン率(CVR)の向上に貢献します。

この記事では、Web接客を行うことで得られるメリットやCVRが改善した事例についても詳しくご紹介します。
Web接客ツールを効果的に活用するための注意点についても触れていきますので、Web接客導入のイメージをつかんでいただけたら幸いです。

Web接客とは

Web接客とは、Webサイトに訪れたユーザーの属性や行動履歴などを元に、条件に合ったアプローチやニーズに合った接客を行うことを指します。

下記のような「Web接客ツール」を導入して実施することが一般的です。

種類特徴
チャット型チャット上でユーザーとリアルタイムに対話をするツール
ポップアップ型広告やクーポンなどの情報をポップアップで表示するツール
ハイブリッド型チャット型とポップアップ型の両方の機能を備えたツール

類似用語であるオンライン接客との違い

Web接客とオンライン接客に明確な区別はされていません。

広義では、オンライン上で行われる接客すべてを「オンライン接客」と一括りにしていることも多く、Web接客もオンライン接客に含まれると言えます。

ただし、一部では有人がリアルタイムで双方的なコミュニケーションをとることが「オンライン接客」、チャットやポップアップなどを通じて自動で行われる接客を「Web接客」と区分けしている場合もあります。

Web接客が増加している背景

Web接客が増加している背景には、ネットショッピングの利用率が年々高まっていることが挙げられます。

総務省の発表によれば、インターネットショッピングの利用率は全体で73.4%、どの世代においても70~80%であるというデータがあります。

参照:総務省/令和3年版 情報通信白書

上記のデータからも、いまや一般的となったネットショッピングにおいて、一人ひとりのニーズを読み取り、適切なアプローチを行えるWeb接客の需要が高まっていると考えられるのではないでしょうか。

Web接客を導入するメリット

Web接客を導入するメリットには以下のようなものがあります。

  • 売上、CVRが向上する
  • サイト離脱を防止する
  • 顧客満足度が向上する
  • マーケティングが効率化する
  • 業務が効率化する

それぞれ詳しくご説明します。

売上、CVRが向上する

Web接客を行うことで、売上やCVRの向上が期待できます。

電話やメール、問い合わせフォームの場合、ユーザーが商品やサービスについて質問があったとしても、手間や導線の問題などから問い合わせせずに離脱してしまうことも多いです。

しかしチャット型のWeb接客ツールを導入することで、ユーザーが気軽に疑問を解消できる環境を作ることができるため、購入や申し込みに繋がる可能性が高まります。

またポップアップ型のツールを利用し、おすすめ情報やクーポンを表示することで、購入の後押しができる可能性もあります。

今まで商品やサービスに興味を持っていたものの、購入や申し込みに至っていなかった潜在顧客に対するアプローチもできるため、売上やCVRの向上が見込めることは大きなメリットです。

サイト離脱を防止する

WEB上では、対面とは違いユーザーが自ら商品や情報に辿り着く必要があり、サポートがない場合は途中で離脱してしまうことがあります。

Web接客を行うことでリアルタイムで商品検索のサポートをしたり、オススメの商品を表示したりすることができるため、サイトの滞在時間を延ばすことができます。

顧客満足度が向上する

Web接客を活用し、一人ひとりのユーザーにマッチした情報を表示することができれば、顧客体験を高めることに繋がり、顧客満足度は向上します。

お客様にスムーズに買い物ができたという印象が残れば、リピーターとなり次回の購入にも繋がるでしょう。

マーケティングが効率化する

データを使ったマーケティングができるようになることも、Web接客を導入する大きなメリットです。

Web接客ツールを活用すると、ユーザーの属性や行動履歴などのデータを収集・分析することができるようになります。収集・分析したデータは、ユーザーごとの購買行動に応じた戦略を立てたり、今後のマーケティングに役立てたりすることで効率的なマーケティングを行うことが可能です。

業務が効率化する

自動で応答するチャット型を導入することで業務の効率化が期待できます。

商品やサービスに関する定型的な対応や、AIが搭載されたチャット型であれば更に広範囲な質問にも対応することができるため、オペレーターは個別対応が必要なユーザーに集中することができるようになります。

また前項でもお伝えしたように、問い合わせ内容から得られたデータも効率的なマーケティング戦略に役立てられるため、Web接客の導入はユーザー対応という単発的なメリットだけではなく、全体の業務効率化に繋がります。

Web接客を導入しCVRが改善した事例

Web接客を導入することで得られる大きなメリットである、CVR改善の成功事例をご紹介します。

導入した目的や具体的な活用方法にも言及していきますので、Web接客の効果と導入後のイメージをより具体的にしていただければと思います。

Gulliver

https://221616.com/ より引用

中古車販売を行う「ガリバー」では、中古車を買いたいユーザーだけではなく、中古車を売りたいユーザーニーズも存在しています。

以前は「ガリバー 中古車」という検索ワードでサイトに流入した「売りたい」ユーザーの一部が査定ページに辿り着けずに離脱してしまうという課題がありました。

そこでWeb接客ツールを導入し、トップページで「売りたい」「買いたい」が選択できるようにしたところ、「売りたい」ユーザーを適切なページに誘導できるようになり、査定申し込みというCVRが124%も向上しました。

Weekly&Monthly株式会社

https://weeklyandmonthly.com/ より引用

Weekly&Monthly株式会社は、家具・家電つきウィークリーマンションやマンスリーマンション情報・予約サイト「W&M」を運営している企業です。

Web接客ツール導入の背景として、サイトへの流入数はあったものの申し込みに繋げるまでに課題を感じており、ポップアップやチャットボット機能がついたWeb接客ツールを導入しました。

おすすめ物件をポップアップで表示したり、トップページを開くとすぐにチャットボットを表示し検索をサポートしたりすることで、自ら検索を重ねなくても希望物件を探せるように改善しました。

その結果、物件という特性上、検索項目が多岐に渡ることで目的に辿り着けていなかったユーザーのフォローアップができるようになり、Web接客ツール導入以降、CVRが格段にアップしました。

アソビュー株式会社

https://www.asoview.co.jp/ より引用

アソビュー株式会社は、レジャー体験や観光施設の入場券をネットで購入できるサービス「asoview!」を運営している企業です。

事業提携しているサービスサイトへの集客のためにオウンドメディアを運用しており、メディアを閲覧したユーザーの成約率をアップさせる目的でポップアップ型を導入しました。

ユーザーが記事を閲覧した際に割引クーポンや他の施設情報をポップアップで表示するようにしたところ、わずか1か月でCVRが1.5倍に向上しました。

株式会社グリーティングワークス

https://www.greetingworks.com/ より引用

株式会社グリーティングワークスは、年賀状や暑中見舞いなどの挨拶状印刷の専門サイト「挨拶状ドットコム」を運営する企業です。

年賀状や暑中見舞いは販売期間が限られているため、シーズン内という短期間に自社だけで施策と改善を行うことは困難と考え、Web接客ツールを導入しました。

ポップアップ機能を活用し、今までサイト内に埋め込んでいた説明動画をポップアップで再生、続けてキャンペーンやデザインプレートの紹介を表示するようにしたところ、CVRはスマートフォンで112.1%、PCで101.3%向上しました。

株式会社エキップ

https://www.eqp.co.jp/ より引用

株式会社エキップは、花王グループ、カネボウ化粧品の100%子会社として「RMK」「SUQQU」「athletia」の3ブランドを運営する企業です。

実店舗がデパート中心であり、ユーザーへのカウンセリングをベースに商品提供をしているため、Web上でも実店舗のような接客が必要不可欠と考え、Web接客ツールを導入しました。

滞在時間は長いが購入に至っていないユーザーに対して、ポップアップでFAQを表示したり、関連性の高い売れ筋商品を表示するようにしたところ、購入数が1.3倍にアップしました。

Web接客ツールを効果的に活用するための注意点

Web接客ツールは導入するだけで効果がでるものではありません。

ツールを効果的に活用するためには、以下のようなポイントに注意しましょう。

  • ユーザーを理解する
  • 課題を明確にする
  • 自社に合ったツールを導入する
  • 適切なタイミングでアプローチする
  • PDCAを繰り返す

ツール選定に役立つポイントから、運用のポイントに至るまで詳しくご説明していきます。

ユーザーを理解する

ツール選定を行う前に、まずはWebサイトに訪れるユーザーついて理解することが必要です。

年齢層や傾向、目的など、どのようなユーザーが多いのかを十分に理解することで、選択するツールやアプローチの実施方法が変わってきます。

また、ユーザーについて理解を深めておくことで、購入や申し込みに至っていない理由に仮説を立てることができるようになるため、導入後の施策実施に役立てることができます。

課題を明確にする

自社サイトで抱える課題や、ツールを導入する目的を明確にしましょう。

例えばサイト分析や社員の声などを参考に、自社サイトの問題点を洗い出します。
もしサイトの離脱率が高い場合には、離脱防止に特化したツールを選択するなど、自社の課題解決に適したツールを選定することが、ツールを効果的に活用するために重要なポイントです。

自社に合ったツールを導入する

Web接客ツールは数多く存在し、その中で自社に合ったツールを選定する必要があります。

まずは大きく分けて3種類あるWeb接客ツール「チャット型」「ポップアップ型」「ハイブリッド型」から、自社に必要な機能を決めます。

次の段階として、費用感やサポート体制、詳細な機能、設置場所などの面で自社にマッチするツールを選定するようにするとよいでしょう。

適切なタイミングでアプローチをする

ツールを導入したら、いかに適切なタイミングでアプローチできるかが、ツールの機能を最大限に発揮するために重要なポイントです。

具体的には商品ページに長時間滞在しており、購入を迷っている可能性が高いユーザーにはポップアップで割引クーポンを表示すると購入の可能性が高まります。

または、サイト訪問数は多いものの離脱率が高い場合には、ポップアップやチャットボットツールでサポートを行い目的まで誘導できれば、CVR向上が期待できます。

PDCAを繰り返す

ツールは導入しただけで効果がでるものではないため、PDCAを繰り返すことは非常に重要です。

ツールの導入直後に期待するような成果が出なかったとしても、PDCAを繰り返すことで効果が出ることは大いにあります。

自社でこまめなPDCAを行うことが困難だと予想される場合、AIがABテストの実施や改善プランの実施を行ってくれるツールを選定するのもよいかもしれません。

また、自社だけで分析や改善の反映が難しい場合にはサポート体制が充実しているベンダーを選択し、効果測定と施策の改善を継続することが大切です。

Web接客ツールで自社サイトを効率よく運用しよう

インターネットショッピングが一般的になってきている背景もあり、多くの企業がWeb接客ツールを導入しています。Web接客ツールはうまく活用できれば、売上やCVRの向上を始めとしたさまざまな効果をもたらしてくれます。

ただし、Web接客ツールは導入すればよいというものではなく、自社にマッチしたものを選定し、PDCAを継続することが非常に重要です。

この記事を参考に、自社サイトをより効率よく運用する手段として、Web接客ツールを導入してみてはいかがでしょうか。

トゥモロー・ネットが提供するCAT.AIは、ボイスボット(音声対話AI)とチャットボット(テキスト対話AI)を同時に使用できる最新型の「ナビゲーション型」対話AIです。

ボイスボットの利点とチャットボットの利点を最大限に活かし、初めて使うユーザーにもわかりやすく「ナビゲーション」することで、AI対応の完了率を向上してくれます。

簡単にデモ体験も実施いただけますので、チャットボットの導入を検討の際は是非お問い合わせください。

ボイスボット×チャットボットの簡単デモ体験

この記事の筆者

TOMORROWNET

株式会社トゥモロー・ネット

AIプラットフォーム本部

「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、生成AIと連携したサービス「CAT.AI GEN-Bot」を筆頭に6つのサービスが含まれ、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。

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