【部署別活用例】生成AIと連携したチャットボットでバックオフィスの業務を効率化しよう

投稿日 :2025.04.04 

人事部や法務部などのバックオフィス業務を担う部署は、組織の中核を担う重要な部署です。しかし、社内からの問い合わせも多いことから業務負担が大きくなりがちで、コア業務に注力できていないケースも少なくありません。

今回は、バックオフィスの業務改善ツールとして「生成AIと連携したチャットボット」をご紹介します

バックオフィスに生成AIと連携したチャットボットを導入することで、「簡易的な問い合わせ対応数の削減」「属人化の解消」「コア業務の効率化」など大きなメリットがあります。部署別の活用例も具体的に記載しますので、ぜひ最後までご覧ください。

バックオフィスの重要性について

バックオフィスとは、企業に直接的な利益をもたらす営業やマーケティングといったフロント部門を「裏で支える部署や業務」です。別名「間接部門」や「管理部門」、「事務部門」とも呼ばれ、人事部や法務部、経理部、情報システム部などがそれにあたります。

顧客と直接関わる機会は少ないかもしれませんが、従業員が円滑に業務を行うためのサポートや健全な企業活動を行うための環境作りなど、無くてはならない重要な業務を担っています。

バックオフィスの業務負担は大きくなりやすい

一般的に、バックオフィスは営業などの部門と比較すると業務内容が定型的で負担が少ないと思われやすいです。しかし、実際には担当者一人ひとりの業務負担が大きく、それによる体調不良や離職率の増加に頭を悩ませている企業も少なくありません。

バックオフィスの業務負担が大きくなってしまう原因は、主に以下のようなものです。

  • 業務量がコントロールしにくい
  • 業務が属人化しやすい
  • テレワークが導入しにくい
  • DXが思うように推進されない

それぞれ詳しく解説します。

業務量がコントロールしにくい

バックオフィスには突発的にさまざまな理由で社員から問い合わせが来ることも多く、その度にコア業務が中断されてしまうこともよくあります。

特に新人社員が入社する時期や年末は問い合わせが多くなる傾向にあり、問い合わせ数が予測できないことで業務量がコントロールしにくく、業務負担も大きくなってしまいます。

業務が属人化しやすい

経理や法務などを始めとしたバックオフィスは専門的な知識が必要なため、特に知識が深い社員に業務が集中しがちです。多忙や人手不足によって業務マニュアルの作成や引き継ぎがされないままになってしまうことも多く、「休みが取れない」「仕事が多い」などの不満から離職に繋がるケースもあります。

テレワークが導入しにくい

バックオフィスでは機密情報を扱うため、セキュリティ面で情報の持ち出しが禁止されていることも多く、テレワークが導入しにくい傾向にあります。また、これらの文書を紙ベースで扱っている企業もあり、上司の承認やハンコが必要などのプロセスで出社しなければ業務が行えないケースもあります。

DXが思うように推進されない

前項に付随する項目として、企業のDXが思うように推進されないこともバックオフィスの業務負担が大きい原因の一つです。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が2023年に国内の企業を対象に行った調査によると、全体の2割以上がDX化について「何もしていない」「よくわからない」と回答しています。

DX化されない要因は企業によって異なりますが、多くは「ITやDXに関する知識と人材の不足」や「ランニングコストの懸念」、「メリットが分からない」などです。(参照:「DX動向2024」)

しかしDXが思うように推進されないと、各部署は手作業が多く膨大な事務処理に追われ、業務負担が大きくなってしまいます。これにより、残業の常態化やミスの発生、生産性の低下を引き起こすことも懸念点です。

生成AIと連携したチャットボットをバックオフィスに導入するメリット

ここからは、バックオフィスの業務を効率化するツールとして「生成AIと連携したチャットボットを導入するメリット」をご紹介します。

業務を効率化するツールはさまざまですが、生成AIと連携したチャットボットは「問い合わせ対応を自動化できる」「人で行う対応のように柔軟性が高い」「学習メンテナンスの手間が少ない」などのメリットがあり、バックオフィスの業務効率化に最適です。

生成AIと連携したチャットボットをバックオフィスに導入する主なメリットは、以下のとおりです。

  • 問い合わせ対応数が減る
  • 属人化を解消できる
  • コア業務を自動化できる

それぞれ見ていきましょう。

問い合わせ対応数が減る

生成AIと連携したチャットボットを社内FAQとして活用できるようにすれば、担当部署への問い合わせ件数を減らすことができます。

何か疑問点や不明点があった場合、社員はチャットボットを起動し、人に尋ねるかのような自由な文章で質問します。生成AIは社内のデータベースなどを検索、得た情報を元に最適な回答を生成してくれるため、従来のFAQよりも柔軟で意図に沿った回答を提示します。

これにより、社員の自己解決率が高まり、担当者の業務負担が軽減されます。

属人化を解消できる

生成AIはあらかじめ担当者が持つ知識(データ)を学習することで、業務に精通した担当者と同じレベルの対応を行えるようになります。これにより、特定の担当者だけに依存してしまうなどの属人化の解消に繋がります。

また、生成AIは学習した知識をマニュアル化することも出来るため、社員に共有することで部署の応対品質の均一化にも繋がり、属人化の解消が見込めます。

コア業務も自動化できる

生成AIと連携したチャットボットは問い合わせ対応に留まらず、各部署のコア業務を自動化することにも役立てられます。次項では、部署別活用例として自動化できる具体的なコア業務をご紹介します。導入後の活用を具体的にイメージしていきましょう。

なお、生成AIの特徴やメリットについては以下の記事で詳しく解説していますので、是非そちらも参考にしてください。
生成AIと連携したチャットボットとAIチャットボットの違いとは?特徴と活用方法を解説

【部署別活用例】生成AIと連携したチャットボットで自動化できるコア業務とは

生成AIと連携したチャットボットは、自然な対話を通じて社内外からの問い合わせに対応したり、定型的な情報提供や手続きの案内を自動化したりするのに役立ちます。特にバックオフィス業務においては、従業員からの質問応答や申請プロセスのサポートなどで効果を発揮します。以下、部署別に具体的な活用例をご紹介します。

人事部

人事部は、従業員の採用から育成、労務管理まで、企業の人材に関する幅広い業務を担当します。生成AIと連携したチャットボットは、特に従業員や応募者とのコミュニケーションを効率化します。

  • 社内規定や福利厚生に関する問い合わせ対応
    従業員からの休暇制度、手当、社会保険などの質問に対し、チャットボットが関連規程に基づいて業務時間に関わらず自動で回答します。
  • 入社・退社手続きの案内
    新入社員や退職者に対し、必要な手続きや提出書類についてチャットボットが対話形式で案内し、プロセスをサポートします。
  • 採用候補者からの問い合わせ対応
    求人情報に関する質問や選考プロセスについての問い合わせに、チャットボットが一次対応を行います。
  • 簡単な申請の受付
    住所変更や通勤手当申請など、定型的な申請をチャットボット経由で受け付け、担当部署へ連携します。

これらの活用により、人事業務の問い合わせ対応工数を削減し、従業員は必要な情報を迅速に得られるようになります。

法務部

法務部の業務には、契約管理、規程策定、コンプライアンス対応など、専門知識が求められるものが多くあります。生成AIと連携したチャットボットは、これらの業務の一部をサポートし、効率化に貢献します。

  • 契約類型に応じたテンプレートの案内
    従業員が作成したい契約の種類をチャットボットに伝えると、適切な契約書テンプレートや関連資料の保管場所を案内します。
  • 社内規定に関する問い合わせ対応
    コンプライアンス規定や情報セキュリティポリシーなど、社内規定に関する従業員からの基本的な質問にチャットボットが回答します。
  • 簡単な法律相談への一次対応
    著作権の扱いや景品表示法の注意点など、日常業務で発生しがちな簡単な法律相談に対し、チャットボットが初期情報を提供したり、適切な相談窓口を案内したりします。
  • 契約審査プロセスの案内
    契約書のレビューを依頼する際の手順や必要な情報について、チャットボットが案内します。

チャットボットが一次対応を行うことで、法務担当者はより専門的な業務に集中できるようになります。

経理部

経理部では、会社のお金の流れを管理する重要な役割を担っています。生成AIと連携したチャットボットは、特に定型的な問い合わせ対応や申請プロセスのサポートで役立ちます。

  • 経費精算に関する問い合わせ対応
    経費精算のルール、申請方法、勘定科目など、従業員からの頻繁な質問にチャットボットが自動回答します。
  • 請求書・領収書の処理状況確認
    従業員や取引先から、提出した請求書や領収書の処理状況について問い合わせがあった際に、チャットボットがシステムと連携してステータスを回答します。
  • 簡単な経費申請のサポート
    チャットボットが対話形式で必要な情報を聞き取り、経費精算システムへの入力補助を行うことで、申請プロセスを簡略化します。
  • 支払いサイトや振込日に関する案内
    取引先からの支払いに関する問い合わせに対し、チャットボットが基本的な情報を提供します。

これにより、経理担当者の問い合わせ対応負荷を軽減し、従業員は経理関連の疑問を迅速に解決できます。

情報システム部

情報システム部は、社内システムの管理・運用、ITインフラ整備、セキュリティ対策など、企業のIT全般を支えます。生成AIと連携したチャットボットは、特にヘルプデスク業務の効率化に大きく貢献します。

  • IT関連の問い合わせ・トラブルシューティング対応
    「パスワードを忘れた」「VPNに接続できない」「ソフトウェアの使い方がわからない」といった、よくある問い合わせに対し、チャットボットが一次対応を行い、解決策を提示したり、関連マニュアルへ誘導したりします。
  • アカウント申請や権限付与の受付
    新規アカウントの発行依頼やシステム利用権限の変更申請などを、チャットボットが受け付け、必要な情報を収集して担当者へ連携します。
  • システム障害・メンテナンス情報の通知
    システム障害発生時や計画メンテナンスの情報を、チャットボットを通じて従業員へ迅速に通知します。

情報システム部への問い合わせは多岐にわたるため、チャットボットによる自動対応は業務効率化に直結し、担当者がより複雑な問題に集中できる環境を整えます。

生成AIと連携したチャットボットでバックオフィスの業務を効率化しよう

バックオフィスは、従業員が円滑に業務を行うためのサポートや健全な企業活動を行うための環境作りなど、無くてはならない重要な役割を担っています。しかし、業務量の多さや一部の社員への属人化、DXが進みにくいことなどから一人ひとりの負担が大きくなりがちです。

生成AIと連携したチャットボットを導入することで、バックオフィスの負担軽減や業務負担の軽減が期待できます。

なお、以下の記事では今回お伝えしきれなかった「チャットボットを社内向けに導入するメリットや注意点」について詳しく記載しております。

【チャットボットを社内向けに導入】具体的な活用シーンとは?

トゥモロー・ネットが提供するCAT.AI GEN-Botは、生成AIと連携し企業が保有するあらゆるデータベースに基づいてテキストだけではなく、画像やフォームも使いながら適切な回答を作成・提示し、パーソナライズした対応で問題解決に導くことができるシステムです。

高度なデータベースとBot機能でオープンデータ使用を制御し、生成AIの課題でもあるハルシネーションの発生を最低限に留め適切な回答を提供することに加え、独自開発のNLP(自然言語処理)エンジンを搭載し、データ検索の精度を向上します。

企業の公式サイトやアプリ、チャットでの問い合わせ・FAQなどのフロントチャネルとしての活用に加え、社内規定やガイドライン、専門職のナレッジ統合ツールなどの従業員サポート・社内ヘルプデスクとして利用することができますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

自然な会話をAIで実現するGEN-Botについてはこちら

この記事の筆者

TOMORROWNET

株式会社トゥモロー・ネット

AIプラットフォーム本部

「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、生成AIと連携したサービス「CAT.AI GEN-Bot」を筆頭に6つのサービスが含まれ、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。

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