AIチャットボットの運用は内製化できる?メリット・デメリットから必要な人材まで

投稿日 :2025.04.11  更新日 :2025.04.11

近年、多くの企業が顧客対応の自動化や業務効率化などを目的として、AIチャットボットを導入しています。運用にあたっては、ログ分析や改善施策の立案、定期的なメンテナンス・チューニングなどを継続的に実施する必要がありますが、外部(ベンダー)に依頼するか、内製化をするか迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、「AIチャットボットの運用を内製化するメリット・デメリット」「内製化に必要な人材」について解説します。

内製化を成功させるためのポイントについても解説しますので、参考にしていただければ幸いです。

AIチャットボットの運用を内製化するメリット

AIチャットボットの運用を内製化すると、以下のようなメリットがあります。

  • スピーディーに対応できる
  • コストを抑えられる
  • セキュリティリスクが減る

それぞれ詳しく解説します。

スピーディーに対応できる

AIチャットボットの運用を内製化することで、細かな調整を行いたい時や新たな情報を学習させたい時に即座に対応できます。例えば、新しいサービスや製品をリリースした場合やAIの回答精度を向上させたい場合などに、スピーディーに対応できるのは大きなメリットと言えます。

コストを抑えられる

ログの分析や、利用率・回答精度向上のための施策立案といった作業を外部に任せる場合、外部委託コストが発生します。自社に知見があれば、このような部分にかかるランニングコストを抑えることができます。

セキュリティリスクが減る

入力された顧客情報などを自社環境内で管理できるため、セキュリティ面でのリスクを軽減できます。ログ分析などを委託する場合、外部のクラウドを利用することになるためセキュリティ面でのリスクはどうしても上がってしまいます。

もちろん、多くのベンダーがセキュリティ対策は万全に行っていますが、内製化することでセキュリティリスクは更に軽減されるでしょう。

AIチャットボットの運用を内製化するデメリット

AIチャットボットの運用内製化にはデメリットもあります。主なデメリットは以下のようなものです。

  • 人的リソースを確保する必要がある
  • 担当者の負担が大きくなる
  • 運用・管理がおろそかになるケースがある

人的リソースを確保する必要がある

AIチャットボットを効果的に運用するためには、行うべき作業が沢山あります。利用状況や回答の正答率などのログを分析し、利用率や回答精度を上げるための改善策の立案と実行、追加データを用意しAIに学習させること、回答精度を高めるための細かな調整(チューニング)などが挙げられます。

このような作業は多くの時間と労力がかかることから、専任の担当者など十分なリソースを割ける環境でなければ内製化は難しいと言えます。

担当者の負担が大きくなる

多くの場合、担当者は他のコア業務と並行してAIチャットボットの運用も行うことになります。それゆえ、前述のような作業を継続的に行わなければならない担当者の負担は大きくなるでしょう。

運用・管理がおろそかになるケースがある

AIチャットボットはメンテナンスやチューニングといった作業を継続しなければ、その効果を十分に発揮することはできません。しかし、担当者が他のコア業務に追われていると、このような運用・管理作業がおろそかになりがちです。

その結果、ユーザーにとって利便性の良いAIチャットボットではなくなり、いつの間にか使われなくなってしまったといったケースも多いようです。

AIチャットボットの運用を内製化するために必要な人材

AIチャットボットの運用を内製化するためには以下のような人材が必要です。

  • AIに関する知識とスキルがある
  • 問題解決能力がある

AIに関する知識とスキルがある

AIチャットボットは自然言語処理や機械学習などの技術が用いられています。
そのため、運用していくにあたっては専門的な知識とスキルが必要不可欠です。

問題解決能力がある

AIチャットボットの利用率が低い、回答精度が低いといった問題が発生した場合に、「どうしたら解決するのか」「不足しているものは何か」といった本質を見極め、解決案を出す能力が求められます。

AIチャットボットの運用内製化を成功させるポイント

前述のような人材が社内にいることを前提とした上で、AIチャットボットの運用内製化を成功させるには以下のようなポイントがあります。

  • チームで管理する
  • メンテナンス日を決めておく
  • チューニングしやすいツールを選ぶ

それぞれ見ていきましょう。

チームで管理する

AIチャットボットの運用は一人の担当者に任せるのではなく、チームで管理する体制を作りましょう。属人化を防ぐことで、「担当者の負担軽減」や「役割を分担することによる効率的な運用」につながります。

また、AIチャットボットの運用は「正解」が見つけにくいものでもあるため、一人の知見や考えに一存するのではなく、多角的な意見や発想を持ち寄ることも重要です。

社内にAIスキルを持った人材が少ない場合、外部講師を招いた社内講習や資格取得の補助制度を設けるなど社内の人材育成に力を入れることも大切です。

メンテナンス日を決めておく

あらかじめ実施日を決めておくことで、メンテナンス作業を後回しにしてしまうリスクを下げることができます。どうしてもコア業務に追われていると、メンテナンス作業がおろそかになり「いつの間にか数ヶ月放置してしまった」といったことになりがちです。曜日や周期などを決め、あらかじめスケジュールに組み込んでおきましょう。

チューニングしやすいツールを選ぶ

継続的にチューニングを行うためには、チューニングがしやすいチャットボットを選定することも大切です。これにより、チューニング作業実施のハードルが下がり、継続的に運用・管理がしやすくなります。チューニングがしやすいチャットボットを見分けるポイントには、以下のようなものがあります。

  • ログデータの取得・分析がしやすい
  • データの管理・追加・修正がしやすい
  • 辞書登録ができる

ログデータの取得・分析がしやすい

チューニングを行うためにはログ分析が不可欠のため、ログが確認しやすいツールを選ぶことが重要です。ログが確認がしにくいツールは、チューニングを定期的に行うことが負担となり、定着せず導入が失敗に終わってしまう懸念があります。

ツールによって使い勝手は異なりますので、導入前のトライアルやデモ体験の際に、ログの確認のしやすさもチェックしましょう。

データの管理・追加・修正がしやすい

ユーザーからの質問と回答内容のデータが管理しやすく、必要に応じて学習データの追加・登録がしやすいツールを選ぶことで、チューニングの際の手間を少なくすることができます。管理方法は、管理画面で確認できるタイプが多いようですが、データをエクスポートできるタイプもあります。使い勝手の良いと感じるものを選ぶようにしましょう。

辞書登録ができる

ターゲット層により使う表現や単語は異なるため、それぞれの企業に合った単語を登録できる「ユーザー辞書機能」があるツールの方がチューニング作業がしやすいかもしれません。同じ意味合いでも表現の違いや話し言葉特有の「表現の揺れ」があるため、導入開始時には想定していなかった表現などにも対応しやすくなります。

生成AIと連携したチャットボットもおすすめ

ここまで、社内でリソースが確保できた場合についてご紹介してきましたが、多くの企業ではそういったリソース確保が難しいケースもあるのではないでしょうか。

「運用・管理の負担が少ない」という点において、生成AIと連携したチャットボットもおすすめです。

生成AIと連携したチャットボットは、あらかじめ学習したデータに加え、データベース上のあらゆるデータを参照しながら回答を生成し、提示することができます。これにより、あらかじめ学習していなかった内容にも柔軟に対応できる点が、従来のAIチャットボットとの大きな違いです。

ユーザーから学習させたデータ以外の質問があったとしても柔軟に回答文を提示し、従来のAIでは対応が難しかった「表現の揺れ」などにも対応することができます。また、人が対応しているかのような自然な回答を提示できることも大きな特徴です。

このことから、生成AIと連携できるチャットボットは従来のAIチャットボットよりも「回答精度向上のための細かなチューニング」や「幅広い問い合わせに対応するための学習データの用意」といった運用・管理にかかる手間は大幅に軽減できる可能性があります。

生成AIと連携したチャットボットについては以下の記事で詳しく解説していますので、ご興味がある方はぜひこちらも併せてご覧ください。

生成AIチャットボットとAIチャットボットの違いとは?特徴と活用方法を解説

AIチャットボットの運用を内製化するには適切な人選と体制確保が重要

AIチャットボットの運用を内製化することで、「スピーディーに対応できる」「コストを抑えられる」「セキュリティリスクが減る」などのメリットがあります。一方で、「専門知識やスキル」「問題解決能力」「継続的なメンテナンスやチューニング作業」が必要なため、適切な人選と体制確保が必須です。

AIチャットボットの導入効果が発揮できるか否かは、運用が鍵となります。自社のリソースや状況を鑑みて、内製化ができるかどうかを慎重に判断する必要があるでしょう。

トゥモロー・ネットは生成AIと連携したチャットボットを提供しています

トゥモロー・ネットが提供するCAT.AI GEN-Botは、生成AIと連携し企業が保有するあらゆるデータベースに基づいてテキストだけではなく、画像やフォームも使いながら適切な回答を作成・提示し、パーソナライズした対応で問題解決に導くことができるシステムです。

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さらに、AIプラットフォームである「CAT.AI」では、このようなAIチャットボットの導入・運用に関して、専門的な知識に基づいた高品質なサポートを提供しております。社内でのリソース確保や人材育成が難しい場合など、どのようなサポートが提供可能かご興味がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事の筆者

TOMORROWNET

株式会社トゥモロー・ネット

AIプラットフォーム本部

「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、生成AIと連携したサービス「CAT.AI GEN-Bot」を筆頭に6つのサービスが含まれ、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。

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