GoogleAI「Gemini」とは?ChatGPTとの違いも解説

投稿日 :2025.04.17  更新日 :2025.04.17

生成AIの利用で資料作成が驚くほど速くなったり、思いもよらないアイデアが生まれたり。そんな「変化」を、最近仕事や暮らしの中で実感している方も多いのではないでしょうか。
2022年のChatGPT登場以降、その活用は急速に広がり、私たちの日常やビジネスシーンに欠かせない存在となりつつあります。

そんな中、Googleが提供する高性能な生成AI「Gemini」も大きな注目を集めています。
今回は、この「Gemini」について、基本情報に始まり、できることやChatGPTとの違い、安全性についても記載します。「ChatGPTは知っているけど、Geminiは使ったことがない」「ChatGPTとどう違うの?」という方の参考になれば幸いです。

Geminiとは

Gemini(ジェミニ)とは、Google社の子会社であるGoogle Deep Mind社が開発した生成AIサービスです。2023年2月に発表された当初は「Bard(バード)」という名称でしたが、2024年2月から「Gemini」に変更されました。Webサイトだけではなく、スマホで利用するためのアプリもリリースされています。

Geminiの大きな特徴として「マルチモーダル処理」があり、テキストや音声、画像、動画などの種類の異なる情報を「同時に処理」することができます。また、情報源としてGoogle検索やyoutubeなどといった、Google社が保有するさまざまなデータを参照できることが大きな強みです。

Geminiでできること

ここでは具体的にGeminiでできることについて解説します。主な対応可能タスクは以下の通りです。

  • テキスト生成
  • 文章要約
  • 画像生成
  • 翻訳
  • コード生成
  • 質問対応

それぞれ見ていきましょう。

テキスト生成

Geminiに意図やシチュエーションなどを含めた指示(プロンプト)を出すことで、テキストを生成させることができます。メールや台本、SNSの投稿文などへ活用するなど、プライベートだけではなく仕事に活用されることも多いです。

文章要約

説明文やインタビュー記事などの長文を要約するツールとしても活用できます。「以下の文章を要約してください」などの指示と共に、該当の文章をGeminiの入力欄に貼り付けるだけで要約が提示されます。

画像生成

生成してほしい画像をテキストで指示するだけで、意図に合わせた画像を即座に生成させることができます。本来、画像生成は専門性が高い分野ですが、Geminiを活用することで誰でも即座にオリジナルの画像を作ることが可能です。

翻訳

2024年10月時点の情報では、Geminiは英語やフランス語、ドイツ語、ポルトガル語、ヒンディー語、スペイン語に対応でき、翻訳精度にも高い評価を受けています。テキストだけではなく音声翻訳も可能で、会議や対談、動画コンテンツの翻訳としても活用されています。

コード生成

GeminiはJavaなどを始めとしたプログラム言語を理解することができるため、コード生成にも役立ちます。さらに、コードレビューやテストデータの生成まで実行することも可能です。

質問対応

Geminiは人が日常的に使う話し言葉や書き言葉(自然言語)を高いレベルで認識、処理することができます。これにより、ユーザーは人とコミュニケーションを取るかのように自然な文言で質問することが可能です。

また、GeminiはGoogle検索エンジンを始めとしたGoogleが所有する膨大なデータを参照するため、非常に幅広い質問に対応できます。

Geminiの種類

2025年3月現在、Geminiには主要なモデルが3種類あり、ユーザーニーズに合わせて使い分けることができます。具体的な種類は以下の通りです。

  • Gemini Nano
  • Gemini Pro
  • Gemini Ultra

どの種類においても、テキストや画像生成、翻訳などの可能なタスクの内容に大きく変わりはありませんが、スペックが向上するほどに精度が高まるイメージで考えていただくと良いでしょう。以下、それぞれの特徴について簡潔に解説します。

Gemini Nano

スマートフォンやタブレットなどのデバイス上向けに設計されたモデルです。従来のモデルが大規模なサーバー環境を必要としたことに対し、こちらのモデルは個人用デバイスでもサクサクとした処理速度で動作します。

Gemini Pro

3種類の中では最も汎用性の高いモデルであり、日常の疑問解消からビジネスシーンにおける情報分析やクリエイティブなコンテンツの作成など、さまざまな場面で活用できます。

Gemini Ultra

3種類の中で最も精度の高いモデルであり、複雑なタスクや大規模なデータの処理にも対応できます。ネット上のリアルタイムな情報を取得・反映することも可能で、研究開発や大規模なデータ分析などにも活用されています。

料金について

Geminiの利用料金(個人向け)には、無料と有料の2つのプランがあります。無料プランでもGemini Proを利用することができますが、利用回数(月500回まで)とストレージ容量に制限があります。

有料プランでは月額2,900円でGemini Ultraを利用できます。基本機能に加えてAPI機能が使えるため、GmailやGoogleドキュメントでGemini機能を利用することも可能です。

GeminiとChatGPTとの違い

Geminiと比較されることも多い生成AIの一つとして、OpenAI社が開発したChatGPT(チャットジーピーティー)があります。ChatGPTもテキストや画像生成、翻訳などの可能なタスクや基本的な使い方はGeminiと似ていますが、以下のポイントでは違いがあります。

  • 学習データの種類
  • コンテキストウィンドウ
  • 利用用途

それぞれ見ていきましょう。

学習データの種類

Geminiはテキストや画像、音声、コードなどさまざまな種類のデータから学習することができます。そのため、画像生成や音声認識の精度はChatGPTよりも高い傾向にあるようです。さらに、GeminiはGoogle検索からの最新情報も参照することができるため、リアルタイムな情報に基づいた回答を提示できるという特徴があります。

一方、ChatGPTは主にテキストデータから学習します。そのため、Geminiと比べると自然な文章生成や文脈の予測などには優れていますが、音声処理や画像解析・生成の精度は劣る傾向にあります。また、回答に活かされるデータはあらかじめ学習したものに限られるためリアルタイムな情報を反映することはできません。

ちなみに現在無料で公開されているChatGPT4.0-turboは、2024年6月までのデータに基づいた回答を提示しています。(2025年3月現在)

コンテキストウィンドウ

コンテキストウィンドウとは、AIモデルが新しいテキストを生成する際に参照できるテキストの量と、生成するテキストの量の合計(トークン数)です。つまり、コンテキストウィンドウが大きいほど多くのデータが処理できます。ちなみに、100トークン=日本語100文字程のイメージです。

2025年3月現在、ChatGPTのコンテキストウィンドウは12万トークン程ですが、Geminiは最大で200万トークンのコンテキストウィンドウを持っており、ChatGPTよりも遥かに膨大な情報を処理できます。

適した用途

前述のことを踏まえ、Geminiはテキスト生成だけではなく画像生成や膨大なデータ分析などに適していると考えられます。それに対し、ChatGPTは文脈などを読むテキストでのやりとりを得意とすることから、自動応答などに使われるチャットボットに適していると言えます。

Geminiの安全性について

「Geminiは安全なのか」このような疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。結論、Geminiは「他の生成AIと同様、注意して利用すれば安全」です。

Google社はGeminiとの会話や反映した情報などを収集し、性能向上に繋げていると公表しています。収集したデータは徹底したセキュリティ対策のもと管理されていますが、生成AIが持つ「入力された情報からも学習する」という性質には注意が必要です。これはGeminiに限ったことではなく、どの生成AIシステムを利用する際にも言えることです。

生成AIを活用する際には、個人情報などの流出しては困る情報は入力しないように注意しましょう。

生成AIサービスはそれぞれの特徴を理解して効果的に活用しよう

GeminiはGoogle社が提供している生成AIサービスであり、2025年3月現在はスペックの異なる3種類が存在します。Google検索やyoutubeなどのGoogle社が保有するさまざまなデータを参照しながら情報を処理できるため、画像生成の精度も高いという特徴があります。

ChatGPTと比較すると文脈を読んだりなどの自然言語の処理レベルは開発途中といった印象を受けますが、今後のアップデートによりそのあたりの精度向上が期待されます。

Geminiは無料で利用できるものもありますので、一度試してみてはいかがでしょうか。

トゥモロー・ネットでは生成AIと連携したCXマルチモードAIを提供しています

トゥモロー・ネットが提供するCAT.AI GEN-Botは、GeminiやChatGPTなどの生成AIと連携し企業が保有するあらゆるデータベースに基づいてテキストだけではなく、画像やフォームも使いながら適切な回答を作成・提示し、パーソナライズした対応で問題解決に導くことができるシステムです。

高度なデータベースとBot機能でオープンデータ使用を制御し、生成AIの課題でもあるハルシネーションの発生を最低限に留め適切な回答を提供することに加え、独自開発のNLP(自然言語処理)エンジンを搭載し、データ検索の精度を向上します。

企業の公式サイトやアプリ、チャットでの問い合わせ・FAQなどのフロントチャネルとしての活用に加え、社内規定やガイドライン、専門職のナレッジ統合ツールなどの従業員サポート・社内ヘルプデスクとして利用することができますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

自然な会話をAIで実現するGEN-Botについてはこちら

この記事の筆者

TOMORROWNET

株式会社トゥモロー・ネット

AIプラットフォーム本部

「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、生成AIと連携したサービス「CAT.AI GEN-Bot」を筆頭に6つのサービスが含まれ、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。

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