コールセンターの離職率を減少させよう|AIの活用で業務改善と従業員定着率向上を実現!

投稿日 :2025.06.12  更新日 :2025.06.12

コールセンターの現場では、「オペレーターの離職率が高い」という課題に頭を悩ませているご担当者様も多いのではないでしょうか。

実際、コールセンター業界は他業種と比較しても離職率が高い傾向があり、人材の定着が進まないことで、応対品質や業務運営に大きな影響を及ぼしています。こうした状況に対し、早期に有効な対策を講じることが、業界全体の重要テーマとなっています。

本記事では、コールセンターの離職率が高い原因や離職率を下げるための具体的な施策について解説します。また、業務効率化に役立つAIツールもご紹介しますので、応対品質や売上を向上させるためにも、参考にしていただけたら幸いです。

辞める人が多い?コールセンターの離職率

少子高齢化が進む現代において、さまざまな業界で人手不足が深刻な問題となっています。

その中でもコールセンターの離職率は他の業界と比較しても高い傾向にあります。

株式会社リックテレコム 2024年11月刊行の「コールセンター白書2024」によると、採用スタッフの約3割が1年以内に離職しているという調査結果もあり、慢性的な人手不足が業務運営に影響を与えています。

コールセンターを運営していくためにはこうした現状を踏まえ、事前に離職率を下げる取り組みを講じる必要があります。

コールセンター離職率が高い理由

コールセンターの離職率が高い理由としては、主に以下の3つが挙げられます。

  • 業務量と精神的負担の大きさ
  • キャリアの不透明さと報酬のミスマッチ
  • 教育・サポート体制の不備

それぞれ詳しく説明します。

業務量と精神的負担の大きさ

離職率が高い原因としてまず考えられるのが、業務量の多さです。

コールセンターでは、顧客対応数が多いことでオペレーター一人ひとりの負担が大きくなりがちです。

また、商品・サービス内容の理解や顧客ごとの柔軟な対応も求められるため、電話応対のマニュアルや事務作業など、覚えることが多岐にわたります。

このような業務量の多さに加え、オペレーターは企業や商品・サービスに対するクレームも受けることから、精神的な負担が大きくなり、離職率を上げる要因になっているのです。

キャリアの不透明さと報酬のミスマッチ

コールセンターはチャネルの多様化や対応スキルの高度化が求められる一方で、オペレーターの給与や評価が業務の負荷と比例しないケースも少なくありません。

オペレーターは未経験でも始めやすいという利点もありますが、管理職などへのキャリアチェンジの機会は限られている場合が多く、結果を出したとしても昇進や昇格に繋がりにくいのです。

このように、キャリアアップの道筋が見えにくいことが離職の一因となっています。

教育・サポート体制の不足

新人オペレーターは、研修期間の短さや指導側のリソース不足により、十分な知識やスキルを身につけられないまま現場に出るケースも多いです。

研修やサポート不足のままで顧客対応を行えば、応対品質が低下するばかりか、ミスやトラブルが増え、コールセンター業務に対する不安や不信感が高まりやすくなります。その結果、離職に繋がるという悪循環に陥りやすくなるのです。

離職率が高まることで慢性的な人手不足となり、結果として、離職によって生じた穴を埋めるために他のオペレーターの業務負荷が増加し、新たな人材をじっくり育成する余裕も失われてしまうという悪循環に陥るのです。

高い離職率が引き起こす業務上の問題

コールセンターの離職率が高いまま運営を続けていれば、業務上の問題が多数発生するリスクがあり、業績にも悪影響を与えてしまいます。

ここでは、高い離職率により想定されるリスクを説明します。

オペレーターの負担増加

コールセンターで離職者が増えれば増えるほど、残されたオペレーターの業務負担が大きくなり、さらなる離職者を生む恐れがあります。

常に人員が不足している状態では、希望の休暇が取りづらくなるだけでなく、急な欠員が出た際に一人ひとりの対応件数が増加し、業務負担が重くなりがちです。

そのため、オペレーターの不満が増加し、さらなる離職者を招く事態となります。

また、離職率が高まればオペレーターだけでなく採用活動やオペレーション内容の修正を行う管理者の負担も増加するという点にも注意が必要です。

応対品質や顧客満足度の低下

離職率が高まり、自社商品やサービス、顧客への対応ノウハウを熟知した人材が不足し、経験の浅いオペレーターの割合が高くなれば、顧客の対応時間に時間がかかったり、適切な対応ができなかったりと、応対品質が低下する恐れがあります。

結果として顧客満足度が低下し、企業やブランドの価値が下がり、売上の低下に繋がる懸念があります。

スーパーバイザーが新人オペレーターのフォローにまわれば、細部まで見渡しづらくなり、コールセンター全体の応対品質にも悪影響を及ぼしてしまうこともあります。

採用・新人教育のコスト増加

オペレーターの定着率が低い場合、常に新規採用しなければならなくなるため、多くの時間や費用がかかります。

採用活動においては、求人広告の出稿や面接、新人オペレーターに対する支給物品、研修費用など、さまざまな費用がかかります。

また、コールセンターの業績を上げるのにも時間を要するため、出費に対して採算が合わない場合もあります。

離職率に対して対策を講じなければ、研修やコストなどをかけて人材を採用・育成したとしても早期に退職してしまえば再び多額のコストがかかる、といった悪循環に陥るケースも少なくありません。

コールセンターの離職率を下げるための施策

コールセンターの離職率を下げるためには、評価やキャリア制度の見直し、環境整備など、広範囲で取り組む必要があります。

ここでは、コールセンターの離職率を下げるのに効果的な施策を5つご紹介します。主な施策は以下のようなものです。

  • 公平で明確な評価・キャリア制度の整備
  • コールセンターシステムの導入
  • 教育制度の強化とフォローアップ体制の構築
  • コミュニケーション環境の整備
  • 業務効率を高めるツールの導入

それぞれ見ていきましょう。

公平で明確な評価・キャリア制度の整備

離職を防ぐために、まずはオペレーターのモチベーションアップに繋がる施策を検討することが重要です。

労働に対して給料が見合っていない・キャリアアップの機会が少ない、などの不満を持って退職するケースが多いため、オペレーターの努力や成果に応じてそれに見合う評価や給料を与える必要があります。

具体的には、定量評価(成果を数値化して評価)や定性評価(モチベーション、判断力など数値で表せないものの評価)など、明確な人事評価制度を導入して多角的にオペレーターを評価し、それに見合った給与や昇格を提供することで離職率を下げる、といった方法が考えられます。

コールセンターシステムの導入

オペレーターがスムーズに業務対応できるよう、顧客からの電話対応を効率化するためのコールセンターシステムを導入するのも有効です。

コールセンターシステムとは、一般的にPBXやCTI、CRMといった複数のITツールを連携させた統合的な仕組みのことであり、オペレーターの業務を多角的に支援します。

例えば、通話時に顧客情報を即座に確認したり、対応後に応対結果をスムーズに連携したりすることで、業務効率化やオペレーターの負担軽減に繋がります。

コールセンターシステムを導入する場合は、まず自社の課題を明確にし、その課題をサポートしてくれる機能を活用しましょう。

教育制度の強化とフォローアップ体制の構築

先述したように、研修期間の短さや指導者側のリソース不足が離職率を招く原因にもなっているため、教育制度やフォロー体制の見直しが求められます。

初期研修はもちろん、OJTや定期的なフィードバック、ベテランのサポート制度など、多層的な育成環境が必要です。

また、定着率の高いコールセンターの事例を参考に、充実した福利厚生に加えてリフレッシュルームを設置するなど、オペレーターのストレスを軽減するための具体的な対策を講じるのも良いでしょう。

このように、研修制度の改良やフォロー体制の見直しを行い、自信を持って業務に臨める人材を育てることで、離職率を下げることに繋がります。

コミュニケーション環境の整備

コールセンターで働くオペレーターの中には、悩みや不満が増え、モチベーションが低下している人も少なくありません。

そのため、オペレーター一人ひとりに寄り添ったケアや、コミュニケーション環境の整備を行うのも、離職率の増加を防ぐことに繋がります。

チーム間の風通しを良くする取り組みや、管理者とのこまめな面談、相談窓口の設置などにより、心理的安全性を確保しましょう。

働きやすい職場環境は、定着率にも直結します。

業務効率を高めるツールの導入

FAQシステムやAIを活用した自動応答システムの導入により、オペレーターの業務負荷を軽減できます。

これらのツールは、顧客の自己解決を促して入電数そのものを削減するだけでなく、オペレーターの応対中に必要な情報をAIが瞬時に検索・提示するといった形で、業務を直接支援する役割も担います。

これにより、オペレーターは付加価値の高い業務に集中できる環境が整い、就業環境の向上と離職率の改善が期待できます。また、スムーズで高品質な対応は、顧客満足度の向上にも繋がるでしょう。

コールセンターでの業務効率を高める具体的なツールは、次項で詳しく解説します。

離職率改善に繋がるAIツール

コールセンターでの業務を改善し、離職率増加を防ぐためには、AI技術の活用が有効です。

AIによって業務を自動化できる部分が増えると、対応するオペレーターの負担が軽減できます。

ここでは、離職率改善にも役立つ、コールセンターで活用可能なAIツールを4つご紹介します。

ボイスボット

ボイスボットは、AIを実装した自動音声応答プログラムです。

顧客からの着信があったときに、自動で応対・発話内容をAIが理解し、一次対応や簡易受付を行った上でオペレーターにつないだり、自動返答したりします。

ボイスボットは音声合成技術や自然言語処理技術などを活用しているため、人と会話をしているような自然な会話が可能です。

定型的な問合せであればボイスボットが自動で対応を完了させることができ、複雑な内容はオペレーターへ引き継ぐことでオペレーターの負担も軽減されます。

AIチャットボット

AIチャットボットは、AIを実装した自動会話プログラムで、ボイスボットが発話音声のやりとりであるのに対し、チャットボットはテキストでやりとりを行います。

AIチャットボットを導入することで、顧客の自己解決力が向上し、入電数の削減が期待できます。

AIと有人対応の棲み分けができるようになると、コールセンター全体の業務負荷が減るため、少ない人数でコールセンターを運営しなければならない場合にも役立ちます。

テキストマイニング

テキストマイニングは、大量のテキストデータから有効な情報を抽出するもので、AIが蓄積した対応履歴を分析し、よくある課題や成功パターンを可視化します。

分析したデータをもとにトラブル発生時の対応マニュアルを最適化できたり、新たな仕組みを構築したりと、対応品質の向上が期待できるだけでなく、オペレーター支援にも繋がるため、離職防止に繋がります。

テキストマイニングを導入し、データを収集するだけでは意味がないため、データや分析結果をコールセンター内で共有し、次の施策に活用することが重要です。

音声感情分析

音声感情分析とは、AIが人の発する声から感情を読み取る技術です。

AIによる音声感情解析技術を活用し、顧客の感情を音声の周波数から把握して、リアルタイムに対応方法を最適化します。

人の感情は言葉だけでは判定しづらく、相手と直接顔を見て対話ができないケースが多いコールセンターにおいては、感情を汲み取った対応ができなければ顧客の不満に繋がりますが、音声感情分析を活用することで言葉だけでわかりづらい顧客の感情をAIによって検知します。

この技術は、新人オペレーターの研修やトークスクリプト改善にも応用が可能です。

AIを活用して業務改善と従業員定着率向上を実現させよう!

コールセンターの離職率は比較的高い傾向にあります。オペレーターは、日々多くのお客様と向き合う中で、感謝の言葉をいただくこともあれば、解決が難しい問題や厳しいご意見に対応することもあります。こうした業務特性上、精神的な負担を感じてしまい、退職に至るケースも少なくありません。

離職者が増え、慢性的な人手不足の状態で運営を続けていけば、応対品質の低下を招いたり、人材が定着しなかったりと、悪循環に陥ってしまいます。

オペレーターの離職を防止するためには、研修体制の整備やオペレーターの業務支援、評価制度の見直しなど抜本的な改革が不可欠となります。

人手不足を人で補うのには限界があるため、AIを上手に活用しながらオペレーターの負荷を下げていくのが有効です。

これにより、オペレーターの業務上のストレスを最小限に抑えつつ、少ない人数でもコールセンターをまわしていけるようになるでしょう。

一般的なボイスボットは、一次受付や簡易的な問い合わせ対応が中心となり、オペレーターの業務負荷をある程度は軽減できますが、その効果は限定的で、最終的にはオペレーターによる対応が必要となるケースが多くあります。

これに対し、トゥモロー・ネットが提供するCAT.AIは、ボイスボット(音声対話AI)とチャットボット(テキスト対話AI)をシームレスに連携させる「ナビゲーション型」対話AIです。音声とテキストを組み合わせたハイブリッドな対応により、本人確認などの複雑な手続きも含めてAIが自己完結できる範囲を大幅に広げます。

これにより、応対フロー全体をAIに任せることが可能となり、オペレーターの負荷を根本から解決し、人にしかできない高度な業務への集中を支援します。

簡単にデモ体験も実施いただけますので、是非お問い合わせください。

ボイスボット×チャットボットの簡単デモ体験

この記事の筆者

TOMORROWNET

株式会社トゥモロー・ネット

AIプラットフォーム本部

「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、生成AIと連携したサービス「CAT.AI GEN-Bot」を筆頭に6つのサービスが含まれ、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。

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