【コールセンターインバウンドとは】運営のコツから受電業務を効率化するAIシステム紹介まで!

コールセンターの仕事には、大きく分けて「インバウンド」と「アウトバウンド」の2つがあり、中でも受電業務全般を指すインバウンド業務は、企業の売上貢献に大きく関わる重要な仕事です。
本記事では、コールセンターのインバウンド業務について、アウトバウンド業務との違いや主な仕事内容、成功させるためのコツなど、さまざまな角度から詳しく解説します。
また、コールセンターの受電業務を効率化するのに役立つAIシステムについてもご紹介しますので、ぜひこの記事を参考にコールセンター業務に役立てていただけたら幸いです。
Index
コールセンターのインバウンド業務とは?主な仕事内容を紹介

コールセンターのインバウンド業務とは、顧客からかかってきた電話に対応する受電対応のことを指し、主に商品やサービスなどに対する問合せや申込み、質問、クレーム処理などの業務です。
顧客の声を直接聞けるインバウンド業務は、商品やサービスの改善・新開発に役立ち、売上拡大に繋がる重要な役割を担っています。
さらに、顧客からの問い合わせに迅速かつ適切に対応することで、顧客満足度の向上にも繋がるため、企業イメージの向上に大きく貢献します。
ここでは、コールセンターのインバウンド業務の仕事内容を紹介します。主な業務は以下のようなものです。
- 問い合わせ対応
- 商品・サービスに関する質問対応
- 商品・サービスの申し込みや解約手続き
- クレーム処理
それぞれ見ていきましょう。
仕事内容①問い合わせ対応
コールセンターのインバウンド業務でまず挙げられるのは、カスタマーサポートとして、顧客からの商品やサービスに関する問い合わせなどを受け付ける業務です。
顧客の疑問や不安をヒアリングし、問い合わせ内容に応じて適切な回答を提示するなどの役割があります。商品の不具合や修理に関する問い合わせなど、技術的な知識が必要な場合もあります。
問い合わせ対応は顧客の疑問を解決する業務であるため、丁寧な対応だけでなく分かりやすく説明するスキルも必要です。
仕事内容②商品・サービスに関する質問対応
顧客が商品やサービスを利用・購入する前の問い合わせに対応します。
顧客は商品やサービスの購入・利用前に、どのような特徴やメリットがあるのか気になるものです。そういった顧客の疑問点を解決し、魅力を上手く伝えることで、顧客が購入・利用に前向きになるため、売上に繋がりやすくなります。
購入やサービスの利用に繋げるためにも、関連する知識を深く身につけておく必要があるほか、トークスキルも求められます。
仕事内容③商品・サービスの申し込みや解約手続き
顧客からの商品やサービスの新規申込を受けて契約を進める際の窓口となったり、サービス内容の変更、商品の返品やサービスの解約などの各種申し込みに応じたりするのもインバウンド業務の一つです。
通信販売など、多くの受注業務を行う企業にとっては重点的に強化すべき業務であり、効率的な受注や処理ができると利益率向上に繋がります。
仕事内容④クレーム処理
インバウンド業務の中でも多いのが、クレーム処理です。
クレーム処理は、オペレーターにとっては精神的負担が大きい業務ですが、顧客の意見や要望を取り入れ、改善することで顧客満足度向上に繋がるため、重要な役割を担っています。
クレーム対応次第で事態が沈静化することもあれば、さらに悪化する恐れもあるため、顧客目線の適切な対応が求められます。顧客がどのような不満を訴えているのかを汲み取り、問題解決に繋がる対応をしなければなりません。
コールセンターのインバウンドとアウトバウンドとの違いとは
コールセンターの仕事は大きく「インバウンド」と「アウトバウンド」の2つに分けられますが、どのような違いがあるのでしょうか。
コールセンターのインバウンドは、受電業務全般を指し、受電によってはじめて顧客情報や電話の目的を把握します。
反対に、コールセンター側から顧客に電話をかける業務全般がアウトバウンドで、主に新商品やサービスのお知らせやセールス電話などの業務を行います。
インバウンド業務は顧客の困りごとを解決する役割を担っており、アウトバウンド業務はセールスに特化している、というように役割がそれぞれ違うのです。
一般的に、企業の売上貢献のためにはインバウンドが重要であり、その理由が以下の2つです。
- インバウンドは顧客との心理的距離が近い
- 成約率はアウトバウンドよりインバウンドの方が高い
インバウンドは顧客との心理的距離が近い
一般的に、顧客は目的を持ってコールセンターに電話をかけるため、インバウンドの方がアウトバウンドよりも顧客との心理的距離が近い傾向にあり、顧客とのコミュニケーションをとりやすいのがインバウンドの特徴です。そのため、インバウンド業務の方が利益に繋がりやすいとされています。
成約率はアウトバウンドよりインバウンドの方が高い
インバウンドでの対応顧客は、顧客があらかじめ会社、もしくは商品やサービスに興味を持っていることから、顧客に認知させることから始まるアウトバウンドよりもコールセンターでの成約率が高い傾向にあります。そのため、売上に繋げるためには、インバウンド業務を重視する必要があるのです。
インバウンド業務に必要なスキル
インバウンド業務は、単にオペレーターの人員を増やせば応対品質が向上したり業務効率化が進んだりするとは限りません。インバウンド業務を行うにあたって、主に以下のスキルが求められます。
- 商品やサービスに関する豊富な知識
- 臨機応変な対応力
- 問題解決能力
それぞれ詳しく説明します。
商品やサービスに関する豊富な知識
コールセンターに電話をかける顧客の多くは、疑問や問題を解決したくて電話をしており、オペレーターに対してはスムーズかつ適切な対応を求めています。
万が一、顧客の疑問点を解決できなければ、クレームにつながる恐れもあるため、顧客からの問い合わせに的確に回答ができるよう、あらかじめ商品やサービスについての知識をしっかり身につける必要があるのです。
オペレーターによって知識量に偏りが生じるのも顧客の不満を招く原因となるため、コールセンター全体で知識を身につけるための環境を整備することが大事です。
臨機応変な対応力
さまざまな顧客がいるため、顧客に合わせて臨機応変に対応するスキルが必要です。
例えば、急いでいる顧客に対しては手短に済ませたり、時間がかかりそうだと思ったら一度電話を切って、後ほど対応したりと、顧客一人ひとりのニーズに合わせた対応が必要になります。
対応力を強化するには、顧客の知識レベルや会話速度などにも意識を持つことが重要です。そのためには、商品やサービスの理解はもちろん、深い顧客理解も求められます。
問題解決能力
顧客からコールセンターへの電話内容は商品やサービスに対する不安や疑問点の解消や、要望に対する適切な対応を求めているケースが多いです。そのため、オペレーターには顧客の要求に対応する問題解決能力が求められます。
顧客が求めているものは何か、問題の本質は何かを理解することや、専門的な内容を顧客が理解できるよう分かりやすく伝えることがスムーズな対応に繋がります。そのためには、ノウハウの蓄積や他のオペレーターへの共有も重要です。
コールセンターのインバウンド業務を成功させるコツ

コールセンターのインバウンド業務は広範囲にわたり、内容も複雑であるため、ポイントを押さえて運営すると良いでしょう。ここでは、コールセンターのインバウンド業務を成功させるコツをご紹介します。主なポイントは以下のようなものです。
- マニュアルを整備する
- オペレーターの育成を強化する
- インセンティブ制度を導入する
- アウトソーシングを活用する
- コールセンターシステムを活用する
それぞれ詳しく解説します。
マニュアルを整備する
オペレーターの応対品質のバラつきを防ぐためにも、マニュアルを整備することが重要です。
コールセンターにかかってくる電話は問い合わせからクレーム処理まで多岐にわたり、インバウンド業務を行うオペレーターには広範囲に対応できるスキルを求められますが、全オペレーターがすぐにレベルの高い対応ができるわけではありません。
しかし、マニュアルの作成によって、経験の浅いオペレーターでも一定の応対品質を維持できるようになります。なお、問題解決力を高めるためには、インバウンド業務のマニュアルだけでなく、自社商品やサービスの知識も身につけ、幅広い問い合わせに対応できるようにする必要があります。
オペレーターの育成を強化する
オペレーターの育成や研修体制を強化することでオペレーターにスキルや知識が身につき、迅速かつ適切な対応ができるようになります。
スピーディーに問題が解決されると、顧客満足度向上も期待できます。オペレーターの育成は、新人研修だけに留まらず、定期的に他のオペレーターとの意見交換を行ったり、上司やスーパーバイザーなどからフィードバックを受けたりして、改善を図りながら、あらゆる問い合わせに対応できるようにすることが重要です。
インセンティブ制度を導入する
コールセンターのインバウンド業務では「クレーム処理がキツい」「結果や成果が、報酬や評価に反映されにくく、やりがいを感じない」など、オペレーターのモチベーションの低下が問題となっており、離職率も高い傾向にあります。これを解決するためには、インセンティブ制度の導入が有効です。
インセンティブ制度の導入により、オペレーターのモチベーションアップと生産性向上が期待できるほか、評価の正当性に納得しやすくなり会社への信頼感にも繋がります。
「アンケート結果からの顧客満足度」「解約を防いだ回数」などでインセンティブを設定しているコールセンターも多いです。
ただし、個人主義になりすぎないよう、コールセンター業務全体としての適正な評価制度を設ける必要があります。
アウトソーシングを活用する
企業の利益向上のためには、インバウンド業務を重視する必要がありますが、人手不足の昨今、受電業務を行う人材が不足している場合は、アウトソーシングを検討すると良いでしょう。
アウトソーシングの活用によって、自社の負担が軽減できるほか、専門知識やスキルを要する会社に依頼すれば、対応クオリティも維持できる、などのメリットがあります。
一方で、アウトソーシングにはコストが大きくかかる、社内にノウハウが蓄積されない、情報漏洩のリスクがある、専門性の高い問い合わせには対応できない、などといった懸念もあるため、導入すべきかよく考え、アウトソーシングする際は対策をとる必要があるでしょう。
コールセンターシステムを活用する
コールセンターのインバウンド業務を効率的に運営するためには、PBX (構内交換機)やCTI(コンピューターと電話を統合するシステム )、CRM(顧客管理システム)といった入電業務を効率化するためのシステムを導入することも重要なポイントです。
システムの活用により、オペレーターの業務負担軽減に繋がります。さらに、以前と違うオペレーターが担当したとしても、継続した会話ができるようになり、スムーズな対応が期待できるなど、顧客とオペレーター双方にメリットがあるといえるでしょう。
コールセンターの受電業務を効率化するおすすめのAIシステム
コールセンターのインバウンド業務をスムーズに行うためには、AIシステムの活用も有効です。ここでは、コールセンターの受電業務を効率化するおすすめのAIシステムを4つご紹介します。
- ボイスボット
- AIチャットボット
- FAQシステム
- 音声認識ツール
それぞれ見ていきましょう。
ボイスボット
ボイスボットは、AIを実装した自動音声対話システムで、顧客からの入電があったときに、発話内容をAIが分析し、自動返答したりオペレーターに繋いだりするのが主な役割です。
ボイスボットには音声合成技術や自然言語処理技術を用いているため、人間と会話をしているような自然なやりとりができます。
電話の一次対応のみならず、定型的な内容であればボイスボットだけで顧客対応を完了させることも可能です。ボイスボットの導入により、オペレーターの負担軽減やあふれ呼などの機会損失解消に繋げられます。
AIチャットボット
AIチャットボットは、AIを実装した自動会話プログラムです。ボイスボットが発話音声のやりとりであるのに対し、チャットボットはテキストでやりとりを行います。
自社HP上にAIチャットボットを設置することで、顧客は気軽に質問できるようになったり、欲しい情報に辿り着きやすくなったりといった効果が期待できます。これにより、顧客の自己解決力が向上し、入電件数が削減されることで、コールセンター全体の負荷が減ります。
FAQシステム
FAQシステムは、ユーザーから頻繁に寄せられる質問と回答をまとめたデータベースです。
顧客からの「よくある質問」に対する回答をあらかじめ用意しておき、システムにアクセスした顧客が疑問を自己解決できる仕組みとなっています。
顧客が自己解決できれば、電話で問い合わせをする手間がかからないことから顧客満足度の向上に繋がり、オペレーターの負担も軽減されるでしょう。
また、顧客向けだけでなく、オペレーター向けのFAQシステムを取り入れることにより、問い合わせに対する適切な回答を探しやすくなるメリットもあります。
音声認識ツール
音声認識ツールは、話した音声を自動でテキスト化するツールです。
音声認識機能を活用し、通話内容をリアルタイムでテキスト化できるため、業務効率向上が期待できるほか、聞き間違いや聞き漏れがなくなるため、顧客への対応ミスを防ぐことも可能です。
また、熟練したオペレーターの対応内容をテキスト化し、マニュアル・FAQ化することで、コールセンター内にノウハウやナレッジの共有が進み、業務の属人化を解消できます。
コールセンターのインバウンドはAIとの連携で進化する!
顧客からの商品やサービスなどに対する問合せや申込み、質問、クレーム処理など、コールセンターの受電業務全般を指すのがインバウンド業務です。顧客との心理的距離が近いことから成約にも繋がりやすく、企業の売上向上のためにはアウトバウンド業務よりも重視する必要があると言えます。
インバウンド業務を成功させるためには、マニュアルの整備やオペレーターの育成強化、インセンティブ制度の導入など、多角的な視点でコールセンターの環境を改善していく必要があります。
また、AIシステムの活用によってインバウンド業務がより効率化するため、AIができること、人間がやる必要があるものを見極めたうえで、導入を進めると良いでしょう。
AIシステムには、一次受付や簡易対応でオペレーターの負荷を部分的に軽減するものもあれば、応対フロー全体を自動化できるものもあります。オペレーターの負荷を根本的に解決するためには、後者のような全フローをAIで完結できる仕組みがより効果的です。
トゥモロー・ネットが提供するCAT.AIは、まさにその後者を実現する「ナビゲーション型」対話AIです。従来のAIが対応しきれなかった複雑な手続きも、ボイスボット(音声対話AI)とチャットボット(テキスト対話AI)のオールインワン提供や、各種コールセンターシステムとの連携をすることによって、AIのみで対応を完結させることが可能です。
これにより、オペレーターは定型業務から解放され、より高度な判断が求められる業務に集中できるため、コールセンター全体の生産性向上と応対品質の向上に大きく貢献します。
簡単にデモ体験も実施いただけますので、是非お問い合わせください。
この記事の筆者

株式会社トゥモロー・ネット
AIプラットフォーム本部
「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、生成AIと連携したサービス「CAT.AI GEN-Bot」を筆頭に6つのサービスが含まれ、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。