【初心者向け】RPAツールとは?導入のメリットと注意点

投稿日 :2025.09.05 

日々の業務で、データ入力、情報収集、レポート作成といった定型作業に時間を取られていないでしょうか。
「業務フローを自動化して効率化したい」「定型業務のヒューマンエラーを減らしたい」そう感じているなら、RPA(Robotic Process Automation)ツールがその悩みを解決してくれるかもしれません。多くの企業ではまだ手作業での定型業務が残っており、効率化のニーズが高まっています。こうした背景の中で、RPAは人間が行っていた繰り返し作業を自動化し、時間と手間を削減するソリューションとして注目されています。

RPAとは、人間が行っていた定型作業を自動化する仕組み のことで、その役割を担うソフトウェアが「RPAツール」です。RPAツールを活用すれば、人が手作業で行っていた処理を代わりにこなし、ヒューマンエラーを減らしつつ生産性を高めることができます。

この記事では、RPAツールとは何かという基礎知識から、導入のメリット・デメリット、そして実際の選び方まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。この記事を読み終える頃には、RPAがどのように業務を変えてくれるのか、具体的なイメージが掴めるはずです。

RPAとは?基礎知識を徹底解説

RPAツールの導入を検討する前に、まずはその基本的な概念を理解しましょう。

RPAの定義と仕組み

RPA(Robotic Process Automation)は、日本語で「ロボットによる業務自動化」と訳されます。RPAは、ソフトウェアロボットがあらかじめ設定したルールに従って、PC上の定型的な作業を自動で実行する技術です。具体的には、マウス操作、キーボード入力、ファイルの移動、アプリケーションの起動など、人間がPC上で行う一連の作業を、あらかじめ設定したルールに従ってロボットが代わりに行います。

【RPAの仕組み】

  1. 業務プロセスの分析:まず、どの業務を自動化するかを決めます。
  2. シナリオの作成:自動化したい業務の一連の流れ(シナリオ)を作成します。多くのRPAツールは、プログラミング知識がなくても設定可能なノーコード機能を備えています。ただし、企業向けの高度な自動化や複雑なシナリオでは、一定のIT知識や運用スキルが必要になる場合があります。
  3. ロボットの実行:作成したシナリオを実行すると、ロボットがPC上で自動的に作業を開始します。

RPAが自動化できる業務の例

RPAは、ルールが決まっていて、繰り返し行われる定型業務に特に力を発揮します。

【RPAが自動化できる業務の具体例】

  • データ入力
    Excelから会計システムや顧客管理システム(CRM)へデータを転記したり、Webサイトから特定の情報を収集してExcelへ貼り付けたりといった作業を自動化できます。これにより、手作業による入力ミスをほぼゼロに近づけ、作業時間を大幅に短縮します。
  • メール業務
    特定の件名や差出人からのメールに添付されたファイルを自動で指定のフォルダに保存したり、受信したメールの内容を分析して担当者に自動で振り分けたりすることが可能です。
  • システム連携
    異なるシステム間でのデータ連携が必要な場合でも、API連携が難しいケースでは、RPAがGUI操作を代行して自動化できる場合があります。CSVデータやExcelファイルから基幹システムにデータを自動でアップロードする作業などが挙げられます。
  • レポート作成
    複数のシステムから必要なデータを収集し、自動的にグラフを作成したり、指定のフォーマットに合わせたレポートを生成したりできます。これにより、月次レポートや週次レポート作成にかかる時間を削減し、分析業務に集中する時間を確保できます。

RPAツール導入のメリット

RPAを導入することで、業務にどのような変化が生まれるのでしょうか?ここでは、主なメリットを3つご紹介します。

業務効率化と生産性の向上

RPAは、人間よりも速く、正確に作業を完了できます。これにより、これまで数時間かかっていた業務が、わずか数分で完了するといった事例も多く見られます。RPAに定型業務を任せることで、従業員は、よりクリエイティブな企画業務や、顧客対応といった人にしかできない付加価値の高い業務に集中できるようになります。部門全体の生産性向上に貢献し、組織の競争力を高めます。

ヒューマンエラーの削減

人間が行う作業には、どうしても入力ミスや見落としといったヒューマンエラーが発生する可能性があります。特に、深夜や長時間にわたる作業では、疲労によるミスが増加する傾向にあります。RPAは、設定されたルールに従って正確に作業を行うため、こうしたミスをなくすことができます。これにより、修正作業の削減や、データの信頼性向上に繋がり、業務品質全体の向上も期待できます。

コスト削減と労働力不足の解消

RPAを導入することで、夜間や休日も作業を自動で進められるため、業務の継続性が向上し、タイムリーな対応や機会損失の軽減につながります。また、労働力不足が課題となっている現代では、依然として人手に頼る定型業務が多く残っています。こうした状況の中で、RPAは貴重な『デジタル労働力』として、時間や曜日に制約されずに作業を進め、人手不足を補う役割を果たします。

RPAツール導入の注意点

RPAは定型作業の自動化に強みがありますが、業務の内容やシステム環境によっては十分に機能しないこともあります。そのため、導入前にメリットだけではなく、デメリットも確認しておくことが重要です。

ルール依存性の高さ

RPAはあくまで「決められたルール」に従って作業します。そのため、業務プロセスの変更や例外処理が頻繁にある場合、RPAのシナリオを逐一更新する必要があります。人間であれば臨機応変に対応できるケースでも、RPAはシナリオへの依存性が高いため、メンテナンスの手間が増えることがあります。導入前に、自動化したい業務がどれくらい頻繁に変動するかを把握しておくことが重要です。

環境・UIへの依存

RPAはPC上でのGUI操作を模倣するため、使用するアプリやWebサイトのUIが変わるとシナリオが動作しなくなることがあります。例えば、ボタンの位置が変わったり、ウィンドウのサイズが変更されたりするだけで、ロボットが正常に動作しなくなるリスクがあります。システム改修やUI変更が頻繁にある場合は、常に影響を監視し、シナリオを修正する必要があります。

スケーラビリティの制限

大量の処理や複雑なデータ連携は、規模や用途によっては制約が出ることもあります 。近年は、サーバー上で稼働するクラウド型RPAや、AIとの連携によってこの課題を解決できるものも増えてきています。しかし、単純なRPAツールだけでは対応に限界があることも認識しておく必要があります。

RPAとAIを組み合わせた業務自動化の次のステップ

この記事では、RPAツールの基本から、メリットと注意点までを解説しました。

RPAは、正しく活用すれば業務効率を向上させ、企業に利益をもたらすことが期待できます。しかし、業務が複雑化する中で、RPA単体では対応が難しいケースも増えてきています。特に、複数のシステム間でのデータ連携や、非定型的な判断を伴う業務には限界があります。

そこで、RPAと連携可能なAIプラットフォームの導入もおすすめです。

トゥモロー・ネットのCAT.AI マルチAIエージェントは、複数のAIエージェントやツールを統合的に活用し、業務の高度な自動化を実現します。これにより、RPAだけでは対応しきれない複雑な業務フローにも対応可能となり、業務効率化の幅が広がります。

RPAでの自動化をさらに広げたい場合や、複雑な業務フローにも対応したい場合は、まずはマルチAIエージェントの仕組みや活用シーンの例を資料でご紹介しておりますので、自社での活用イメージにつなげてみてください。

業務効率化の次のステップとして、CAT.AI マルチAIエージェントの導入もぜひご検討ください。

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柔軟な対話力と高い処理能力で、自然な会話を通じてユーザーを分かりやすく解決に導き、企業の業務効率化と顧客満足向上を支援します。

この記事の筆者

TOMORROWNET

株式会社トゥモロー・ネット

AIプラットフォーム本部

「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、複数AIエージェントが連携し、業務を自動化する「CAT.AI マルチAIエージェント」など、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。

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