AIエージェントと生成AIの違いとは?関係性・使い分け・業務活用の考え方を解説

投稿日 :2026.04.08 

AI活用が進む中で、「生成AI」と「AIエージェント」という言葉を目にする機会が増えています。一方で、それぞれの違いや関係性については、まだ整理しきれていないと感じている方も多いのではないでしょうか。

特に業務での活用を考える場合、単に機能を理解するだけでなく、「どのように使い分けるか」「どのように組み合わせるか」といった視点が重要になります。こうした整理が不十分なままでは、活用の幅が限定的になってしまうケースも見られます。

本記事では、生成AIとAIエージェントの違いと関係性を整理したうえで、業務にどう活用していくべきかを具体的に解説します。自社の業務に当てはめながら、どこまでを生成AIで対応し、どこからAIエージェントを活用するのかを考える際のヒントとしてご活用ください。

AIエージェントと生成AIの違いや関係性とは?

まずは、生成AIとAIエージェントの基本的な違いと関係性を整理します。この2つは対立するものではなく、役割が異なる技術です。

生成AIとは何か

生成AIは、テキストや画像などのコンテンツを生成する技術です。入力された指示(プロンプト)に対して、自然な文章や回答を返すことができます。

主な特徴としては以下が挙げられます。

  • テキスト生成や要約、翻訳などが得意
  • 大量のデータをもとに自然な応答を生成できる
  • ユーザーとの対話形式で利用されることが多い

一方で、あくまで「入力に対して応答を返す」ことが中心であり、それ単体で業務全体を完結させる仕組みではありません。

AIエージェントとは何か

AIエージェントは、業務の中でタスクを処理するための仕組みです。単なる応答ではなく、複数の処理を組み合わせて業務を進める役割を持ちます。

特徴は以下の通りです。

  • 業務をタスク単位に分解して処理する
  • 必要に応じて複数の処理を連携させる
  • 外部システムとの連携や処理実行を含む

つまり、AIエージェントは「業務を進めるための仕組み」であり、その中で生成AIが一部の役割を担います。

なお、AIエージェントの基本的な仕組みや種類、AIアシスタントとの違いについてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:AIエージェントとは?AIアシスタントとの違い、仕組みや種類、活用例をわかりやすく解説

AIエージェントと生成AIの違いと関係性

両者の違いは、「何を担うのか(役割)」と「業務の中でどう使われるのか(位置づけ)」にあります。それぞれの違いを整理すると、以下のように捉えることができます。

  • 生成AI:情報を生成する「機能」
  • AIエージェント:業務を進める「仕組み」

この関係性を踏まえると、AIエージェントの中で生成AIが一部の役割として組み込まれて活用される形が一般的です。生成AI単体では難しい業務処理も、AIエージェントと組み合わせることで実現できる範囲が広がります。

生成AIだけでは不十分?業務活用における限界

生成AIは非常に便利な技術ですが、業務にそのまま適用しようとするといくつかの課題が見えてきます。

生成AIはなぜ単体では業務に使いにくいのか

生成AIは、一つひとつの問いに対して適切な回答を生成する点に強みがありますが、複数のステップをまたいで進む業務処理には、そのままではフィットしにくい側面があります。

実際の業務では、「内容の確認 → 判断 → 処理」といった一連の流れがあり、それぞれが連続してつながることが前提になります。しかし生成AIは、基本的にその都度の入力に対して応答を返す仕組みであるため、処理全体の流れを前提にした動きにはなっていません。

その結果、個々の対応はできても、業務として一貫した形で完結させるには工夫が必要になります。

業務プロセスに組み込む際の課題

業務に適用する際にポイントとなるのが、「既存の業務プロセスにどう組み込むか」という観点です。

多くの業務は、あらかじめ設計されたフローに沿って進み、分岐や進捗管理も含めて運用されています。一方で生成AIは、こうしたプロセス自体を制御する仕組みを持っているわけではありません。

そのため、実際に組み込もうとすると、次のような点で調整が必要になります。

  • 業務フローとの整合性をどう取るか
  • 処理の抜け漏れをどう防ぐか
  • 進捗や履歴をどう管理するか

こうしたギャップを埋める設計がない場合、部分的な活用にとどまりやすい点は押さえておく必要があります。

システム連携・実行まで広げる際の課題

もう一つのポイントは、「回答の先にある処理」まで踏み込めるかどうかです。業務では、問い合わせへの回答だけで完結するケースは少なく、その後に顧客情報の更新や各種手続きの実行が続きます。

ただし生成AIは、あくまでテキストを生成する役割を担うものであり、外部システムと連携して処理を実行する機能までは持っていません。そのため、実務で活用するには、システム連携や実行制御の仕組みと組み合わせることが前提になります。

結果として、生成AI単体ではなく、業務全体の中でどう位置づけるかが重要になってきます。

AIエージェントは生成AIとどう連携するのか

こうした課題を補う形で、AIエージェントは生成AIを活用しながら業務処理を実現します。

AIエージェントにおける生成AIの役割

AIエージェントの中で、生成AIは主に以下のような役割を担います。

  • ユーザー入力の理解
  • 回答文の生成
  • 判断材料となる情報の整理

つまり、生成AIは「回答を作る・内容をまとめる」といった処理を担います。ただし、これだけでは業務は完結しません。実際の業務では、こうした処理を含めて一連の流れとして組み立てる必要があります。

タスク分解による業務処理の仕組み

AIエージェントは、業務をいくつかのタスクに分解して処理します。これにより、複雑な業務でも段階的に進めることが可能になります。

例えば、問い合わせ対応であれば以下のように分解できます。

  • 問い合わせ内容の分類  
  • 必要情報の取得
  • 条件に基づく判断  
  • 処理の実行  

この一連の流れの中で、生成AIは主に「問い合わせ内容の理解」や「回答内容の生成」といった部分を担います。

このように役割を分けることで、処理の精度と再現性を高めることができます。

マルチAIエージェントによる連携の考え方

さらに進んだ形として、複数のAIエージェントが連携する「マルチAIエージェント」という考え方があります。

それぞれのエージェントが役割を持ち、連携しながら処理を進めることで、より複雑な業務にも対応できるようになります。

例えば、「問い合わせ内容の理解」「情報検索」「判断」「処理実行」といった役割を分担し、それぞれのAIが連携することで、業務全体をスムーズに進めることが可能になります。

単一のAIにすべてを任せるのではなく、役割分担によって全体を最適化するアプローチです。

AIエージェント×生成AIの活用例【業務別

実際の業務では、AIエージェントと生成AIを組み合わせることでさまざまな活用が可能になります。

顧客対応における活用例(問い合わせ・コールセンター)

顧客対応では、問い合わせ内容に応じて適切な対応を行う必要があります。AIエージェントと生成AIは、以下のように役割を分担しながら処理を進めます。

  • 問い合わせ内容の理解(生成AI)  
  • 対応フローの選択(AIエージェント)  
  • 回答文の生成(生成AI)  
  • 手続きやシステム処理の実行(AIエージェント)  

このように、生成AIが「理解や回答」を担い、AIエージェントが「判断や処理の進行」を担うことで、単なるFAQ対応を超えた実務レベルの自動化が可能になります。

社内業務における活用例(ナレッジ活用・業務支援)

社内業務では、ナレッジの活用や業務支援においても両者の役割分担が重要になります。

  • 質問内容に応じた情報の検索・要約(生成AI)  
  • 必要な情報ソースの選定や取得(AIエージェント)  
  • 業務手順の案内や回答生成(生成AI)  
  • 次に行うべきアクションの提示(AIエージェント)  

単なる検索にとどまらず、業務の流れに沿った形で情報を整理・提示できる点が特徴です。

バックオフィス業務の自動化例

バックオフィスでは、定型業務の自動化においても役割分担が活きてきます。

  • 申請内容の読み取り・内容理解(生成AI)  
  • ルールに基づくチェックや判断(AIエージェント)  
  • 必要に応じた補足情報の生成(生成AI)  
  • システムへの登録や処理実行(AIエージェント)  

このように、生成AIが情報の理解や生成を担い、AIエージェントが業務処理を進めることで、人手を介さずに一連の業務を完結させることができます。

AIエージェントと生成AIの導入ポイント

ここまで見てきたように、AIエージェントの導入を検討する際には、適した業務の見極めが重要になります。

その上で、具体的にどのような業務に適しているのか、また生成AIとの使い分けをどのように考えるべきかを整理していきます。

AIエージェント導入に適した業務の特徴

AIエージェントはすべての業務に適しているわけではなく、特に効果が出やすい業務には一定の特徴があります。

・複数のステップで構成されている業務  
 → 単発の処理ではなく、判断や処理が連続する業務ほど効果が出やすい

・一定のルールや判断基準が存在する業務  
 → 完全な属人判断ではなく、条件に基づいて処理できる領域があることが重要

・システム連携や実行処理を伴う業務  
 → 情報取得だけでなく、登録や更新などのアクションが発生する業務に向いている

このような業務は、生成AI単体では対応しきれない部分を含むため、AIエージェントの仕組みが活きやすくなります。

生成AIで十分なケース/AIエージェントが必要なケースの特徴

すべての業務でAIエージェントが必要になるわけではなく、目的に応じて生成AIとAIエージェントを適切に使い分けることが重要です。

生成AIで十分なケース

  • 文章作成や要約など、単発で完結するタスク  
  • 情報収集やアイデア出しなど、実行処理を伴わない用途  

 → 一問一答で完結するため、業務プロセスとしての設計が不要

AIエージェントが必要なケース

  • 複数の処理を組み合わせて業務を進める必要がある場合  
  • 判断から実行まで一連の流れを自動化したい場合  

 → タスクのつなぎや処理の進行管理が必要になるため、エージェントの仕組みが必要


このように、「業務の一部を効率化するのか、それとも一連の業務プロセス全体を自動化するのか」という視点で考えると、適切な選択がしやすくなります。

導入時に重要な設計・運用の考え方

AIエージェントの導入では、業務に合わせた設計と運用を前提に考えることが重要になります。
特に、以下のような観点を整理しておくことが重要です。

・業務の分解と適用範囲の設計
業務をどのように分解し、どこにAIを適用するかを明確にすることが重要です。すべてを一度に自動化するのではなく、効果が出やすい部分から段階的に適用する方が現実的です。

・生成AIを活用するための情報設計
生成AIを活用する場合は、どのような情報をもとに回答を生成するのかを整理しておく必要があります。ナレッジの整備やデータの扱い方が、そのまま精度に影響します。

・導入後の運用と改善プロセス
実際の利用状況をもとに、シナリオや処理フローを見直していくことで、徐々に精度と効果を高めていくことができます。

このように、設計と運用を一体で考えることが、AIエージェントを業務で活用する上での重要な前提となります。


より具体的な導入の進め方や、業務から整理する際の考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:AIエージェント導入を成功させるには?業務から考える実践アプローチ

また、AIエージェントの導入にあたっては、セキュリティやリスクの整理も重要なポイントになります。設計段階でどのような点に注意すべきかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:AIエージェントのセキュリティは大丈夫?導入前に整理すべきリスクと設計の考え方

生成AI活用はAIエージェントへと進化する

生成AIとAIエージェントの違いを整理すると、AI活用は単なる「機能の利用」から「業務プロセスの設計」へと変化していることが見えてきます。生成AI単体では対応しきれない業務も、AIエージェントと組み合わせることで、対応できる範囲が広がります。

その中でも注目されているのが、複数のAIが役割分担しながら連携するマルチAIエージェントというアプローチです。複数のタスクを段階的に処理しながら、必要に応じて最適なAIやシステムを組み合わせていくことで、単一のAIでは難しい業務全体の最適化が可能になります。

こうした考え方を前提としたソリューションとして、CAT.AI マルチAIエージェントでは、生成AIをはじめとする複数のAIや業務システムと連携しながら、業務全体を一つのプロセスとして設計・実行することができます。例えば、生成AIはRAG(検索拡張生成)を活用することで、社内データや業務ナレッジに基づいた回答を生成しつつ、内容の一貫性や正確性を担保する形で組み込まれています。

また、音声とテキストを組み合わせた顧客対応や、シナリオ設計・分析までを一貫して支援することで、単なる応答の自動化にとどまらず、継続的な業務改善まで見据えた活用が可能です。

詳細な活用イメージや導入の進め方については、以下の資料で具体的に確認できます。自社業務に適用する際の設計の考え方や、どのような業務から着手すべきかといった判断材料として活用できます。

この記事の筆者

TOMORROWNET

株式会社トゥモロー・ネット

AIプラットフォーム本部

「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、複数AIエージェントが連携し、業務を自動化する「CAT.AI マルチAIエージェント」など、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。

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