チャットボットとは?種類と特徴について解説
ャットボットの導入を検討する際は、チャットボットの種類や特徴、仕組みを把握した上で、自社に適したものを選択することで効果を最大限に発揮することに繋がります。
当記事では、チャットボットの基本的な情報や種類についてご紹介します。チャットボットの導入を検討されている方のお役に立てば幸いです。
チャットボットとは
チャットボットの仕組み
チャットボットは、「chat(会話)」と「robot(ロボット)」が語源になった言葉で、ユーザーからの質問に対して自動で回答を行う、自動会話プログラムのことです。チャットボットはユーザーの質問や問いに対し、テキストベースのコミュニケーションで会話を進行します。
チャットボットは、AIが搭載されているか否かで、シナリオ型とAI型の大きく2つに分類できます。
AIが搭載されたチャットボットは、自然言語処理や機械学習といった技術により、ユーザーの問いの真意を読み解き、適切な答えを提示することができます。
原則としてパターン化した回答を質問に対して返すものがチャットボット
企業に寄せられる質問や問い合わせは定型的なものが多数あります。このような、パターン化された問い合わせの対応に適しているのが、チャットボットです。
想定できる質問と回答をあらかじめ用意しておくことで自動で回答することが可能です。チャットボットで自動で対応することで、ユーザーは好きなタイミングでスピーディーに欲しい情報を得られるようになります。
AIが搭載されているチャットボットは、機械学習機能によって質問のパターンやシナリオを追加していくこともできるため、運用歴が長くなるほど柔軟な対応が期待できるでしょう。
AIを活用することで、更に柔軟な回答ができるように
近年のAIの発展の象徴ともいえるツールが、ChatGPTです。
OpenAIが2022年11月に公開した人工知能チャットボットであり、日本でも爆発的に認知が広がりました。
AIを活用したチャットボットは他にも、Googleが2023年に公開したGemini(ジェミニ)、Anthropicが開発したClaude 2(クロード)などが挙げられます。
AIは莫大なデータベースから情報を提供できるため、より柔軟にユーザーからの質問への対応が可能になります。
ELIZAからChatGPTを活用したチャットボットに至るまで
チャットボットの歴史は古く、始まりは1966年にアメリカで登場した「ELIZA(イライザ)」が原点となります。その後、時代の流れとともに新たなチャットボットが誕生していきます。
年代 | チャットボット | 特徴 |
1966年 | ELIZA (イライザ) | 初期の素朴な自然言語処理プログラム対話型だが音声機能はない |
1972年 | PARRY (パリ―) | スタンフォード大学の精神科医が作った医学生の練習が目的だった |
1988年 | JABBERWACKY(ジャバワッキー) | 人間の自然な会話が目的で作られたインターネット上で使われた |
1992年 | Sbaitso (スベイツォ) | テキストから音声入力ができる人間らしさには欠ける |
1995年 | A.L.I.C.E (アリス) | ELIZAの進化版として登場自然言語処理(NLP)の技術が適用された |
2001年 | SmarterChild (スマートチャイルド) | データベースへアクセスし情報を得た3000万以上が使うほど普及した |
2006年 | Watson Assistant (ワトソン アシスタント) | 高度な自然言語処理や機械学習機能オフラインの人工知能 |
2011年 | Siri (シリ) | iPhone 4Sに組み込まれたAIボット音声認識による応答を行う人工知能 |
2021年 | ChatGPT (チャットジーピーティ) | 大規模自然言語処理モデル人と話をしているような自然な対話 |
2011年のSiriや2021年のChatGPTは、多くの人に認知されており、利用経験が多数あるツールといえるでしょう。
こうして歴史をみてみると、初期の頃のチャットボットから進化を遂げ、より自然な受け答えやコミュニケーションが可能になってきたとわかります。
チャットボットの具体的な作り方について
チャットボットを導入する際の作り方の手順は、このようになります。
- 目的を明確にさせ導入を決定させる
- 自社開発にするのかorベンダーのものを使うのかを決める
- シナリオを設計する
- チャットボットに実装する
- テスト運用をする
チャットボット導入時に最も重要なのは、「目的に合わせて適切なチャットボットを選ぶ」という点です。課題や導入目的が明確になると、適切な製品の選択が可能になります。
設計するシナリオによっては、導入までに時間がかかるケースもあるでしょう。
運用開始後は、定期的に利用状況の分析やPDCAをまわしながらメンテナンスを行い、チャットボットの精度を高める必要があります。
チャットボットの種類について
チャットボットは大きく分けて、シナリオ型とAI型の2種類があります。
活用のシーンもイメージしながら、適切なタイプのチャットボットを選択しましょう。
シナリオ型 | AI型 | |
AI搭載 | 非搭載 | 搭載 |
仕組み | 用意された会話で対応 | 自ら学習する |
よくある表記 | ・ルールベース型 ・ログ型 ・選択肢型 ・ELIZA型 | ・AI型 ・FAQ型 ・機能学習型 ・辞書型 |
人工知能(AI)搭載有無による機能の違いは?
チャットボットは、全てに人工知能が搭載されているわけではありません。
非AI型のチャットボットは、あらかじめ設定されたシナリオに沿った会話を展開していきます。一方、AI型チャットボットは、シナリオ外の質問にもある程度柔軟に対応することが可能です。
以下ではより対応範囲の幅が広いAI型のチャットボットに着目してメリット・デメリットなどをご紹介いたします。
AIチャットボット導入によるメリット・デメリット
AIチャットボットのメリットは以下です。
- シナリオ型よりも柔軟な対応が可能になる
- 対応できる質問の数が多い
- AIによって会話の流れや文脈を理解しながら回答を出すことができる
一方AI型のデメリットとしては、このような点が挙げられます。
- 導入時のコストや工数が増加する
- 継続的にAIの学習やメンテナンスをする必要がある
- ユーザーの感情までは理解できない
これらのメリットデメリットを踏まえ、チャットボットを導入する目的に合わせて、シナリオ型かAI型かを適切に選択する必要があります。
シナリオ型・AI型ともに事前の設定・準備は必要
AI型・シナリオ型ともに、実際にチャットボットを稼働させる前に質問とそれに対する回答を準備する必要があります。
AI型においては、あらかじめFAQなどのデータを学習させておく必要があります。
設定されたルールに基づいて回答を行うため、シナリオ型においてもあらかじめ想定の質問やシナリオの準備が必要となります。
AIに頼り切らない意識が重要
AI型チャットボットを導入したとしても、必ず全ての問い合わせに対応できるとは限りません。
顧客対応をAI型チャットボットのみに頼ってしまうと、問題が解決できなかった際にユーザーの不満足につながってしまう可能性があります。
チャットボットを検討する際は、有人オペレータにシームレスに連携ができるかどうかも、導入時にチェックしておくことをおすすめします。
顧客対応に使われるチャットボット
顧客対応でのチャットボットの種類は、主にシナリオ型・FAQ型・システム連携型の3種類があります。
それぞれの特徴を、お伝えします。
シナリオ型
シナリオ型チャットボットは、あらかじめ設計されたシナリオフローに基づいて、ユーザーとの対話を進めていきます。
よくある問い合わせの項目が少なく、定型的な場合はシナリオ型をおすすめいたします。
FAQ型(AI型)
FAQとは、よくある質問とその回答を集めたものを指します。
AIがユーザーからの質問をもとにデータベースから回答を探し、適切な回答を返答します。
問い合わせの項目数は多いけれど、ある程度答えが決まっていて定型的に対応ができる、製品やサービスの仕様、営業時間、料金体系といった一般的な質問の対応はFAQ型(AI型)をおすすめいたします。
システム連携型(AI型)
チャットボットと外部システムを連携(API連携)させて運用します。
商品情報や顧客情報などの外部ソースと連携して、ユーザーの質問を解決します。商品情報の提供や、購買履歴から適した商品のPR、顧客情報の管理といった活用方法があります。
どんな外部システムと連携するかで、チャットボットの活躍の幅が広がります。
業務効率化での活用シーン
近年、業務効率化やDX推進を目的にチャットボットを活用するケースも増えているようです。
業務効率化におけるチャットボットの活用シーンの例として3つご紹介いたします。
- 配信・通知
- 受付処理
- 情報参照
配信・通知
PRしたい情報を自動でユーザーに配信します。
事前に設定した日時に自動で一斉送信されるので、紙媒体のDMのように封入作業などが必要ありません。AIが搭載されているタイプのチャットボットは、ユーザーの好みに応じて配信が可能なので、より購買意欲を刺激できるでしょう。
受付処理
ユーザーのリクエストに応じて、チャットボットが自動で受付処理を行います。
飲食店やヘアサロンの予約や、宅配便の再配達のシステムに活用されています。AI非搭載タイプはあらかじめ設定したシナリオ通りにしか処理を行えませんが、AI搭載タイプは、シナリオ外のユーザーの問いかけに対してもある程度柔軟に対応が可能です。
情報参照
ユーザーの質問に関連する情報を検索して回答します。
外部のデータベースと連携することも可能です。FAQや外部情報の検索、関連情報検索、詳細情報の案内など、幅広い用途で使用されています。
AIを活用したチャットボット一覧(会社一覧)
最後に、AIを活用したチャットボットをご紹介します。
AI型チャットボット導入を検討している場合は、下記のサービスを比較し、参考になさってください。
名称 | 会社名 | 主な用途 | 無料利用 |
CAT.AI (キャットエーアイ) | 株式会社 トゥモロー・ネット | 顧客対応 | デモ体験有 |
PKSHA Chatbot (PKSHA) | 株式会社PKSHA Communication | 顧客対応社内問い合わせ | 無料トライアル有 |
MOBI BOT (モビボット) | モビルス株式会社 | 顧客対応 | 不可 |
Chat Plus (チャットプラス) | チャットプラス 株式会社 | 顧客対応社内問い合わせマーケティング支援 | 無料トライアル有 |
SupportChatbot (サポートチャットボット) | 株式会社 ユーザーローカル | 顧客対応社内問い合わせ営業支援 | 不可 |
KARTE (カルテ) | 株式会社 RightTouch | 顧客対応 | 不可 |
KARAKURI chatbot (カラクリ チャットボット) | カラクリ株式会社 | 顧客対応 | 無料デモ有 |
AI Messenger (エーアイメッセンジャー) | 株式会社AI Shift | 顧客対応 | 不可 |
ZEALS (ジールス) | 株式会社ZEALS | 顧客対応 | 可能 (成果報酬型) |
無料利用については、無料トライアルなのか成果報酬型なのかというように、条件が異なりますので最新情報をご確認ください。
チャットボット選びは慎重に
チャットボットは複数社の製品がありますので、課題や導入目的に合わせて適切なタイプを選ぶようにしましょう。
CAT.AIは、ボイスボット(音声対話AI)とチャットボット(テキスト対話AI)を組み合わせてに利用できる最新の「ナビゲーション型」対話AIです。双方の利点を最大限に活かし、わかりやすくナビゲーションし、AI対応の完了率を向上していきます。
簡単にデモ体験も実施いただけますので、チャットボットの導入をご検討の際は是非お試しください。
CAT.AIについて
「CAT.AI」は、ボイスボット(音声対話AI)とチャットボット(テキスト対話AI)を同時に利用することで、初めて使うユーザーでもわかりやすい最新の「ナビゲーション型対話AIサービス」です。音声とテキストを駆使し、ユーザーが抱える課題に対しスムーズに、ストレスフリーなサクセス体験を提供し、AI対応の完了率を向上していきます。独自開発のNLP(自然言語処理)技術を搭載し、AIであってもヒトと話すような自然なコミュニケーションを実現できることが特徴です。当社の専門デザイナーがCX(顧客体験)と豊富なAI機能を駆使し、クライアント企業様のAIコミュニケーションをデザインします。
【CAT.AI サービスサイト】
https://cat-ai.jp/
サービスに関するお問合せ先
株式会社トゥモロー・ネット AIプラットフォーム本部 CXコンサルティング部門
こちらよりお問い合わせください。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
※記載されている会社名、ロゴ、製品名、サービス名は株式会社トゥモロー・ネットまたは各社の商標もしくは登録商標です。
この記事の筆者
株式会社トゥモロー・ネット
AIプラットフォーム本部
「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、生成AIと連携したサービス「CAT.AI GEN-Bot」を筆頭に6つのサービスが含まれ、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。