対話型AIとは?チャットボットを活用して業務効率化を推進しよう!
AI技術の進歩により、多くの企業が業務効率化などを目的として、自社サービスにAIを導入しています。
その中でも対話型AIは、高い会話能力や柔軟性、対応領域の広さなどから注目を集めています。
今回は、対話型AIの基本的な仕組みやチャットボットとの違い、業務効率化に繋がる理由と注意点、そして具体的な活用例について解説します。
対話型AIについて「興味がある」「導入を考えている」方の参考になれば幸いです。
対話型AIとは
対話型AIとは、人間とコンピューターが自然な会話を行うことができるシステムです。自然言語処理や機械学習によってテキストまたは音声による入力を解析し、自動で質問に答えます。会話をするほど精度も高まり、相手の背景や感情を考察するなど、より人間に近い柔軟で複雑な会話が可能です。
対話型AIが搭載されている代表的なものには、音声入力によって応答する「Alexa」「Siri」や、文字入力によって応答する「ChatGPT」などがあります。対話型AIの中でも昨今話題の「ChatGPT」はご存じの方も多いのではないでしょうか。
チャットボットとは
チャットボットとは、あらかじめプログラムされたルールや学習データに基づいて、自動的に応答するシステムです。
ユーザーからの問い合わせへの回答や、定型的な業務の自動化に使用されます。
チャットボットにはAIチャットボットと呼ばれる「AI搭載型」と、シナリオチャットボットと呼ばれる「非AI搭載型」が存在し、AIチャットボットも対話型AIの一種とされます。
次の項目で、詳しく解説します。
対話型AIとチャットボットの違い
対話型AIとチャットボットでは、以下のような違いがあります。
対話型AI | チャットボット | |
目的 | 限定しない | タスクを自動化 |
応答レベル | 柔軟で高度 | シンプル |
応用範囲 | 幅広い話題に適応 | ルールやシナリオベース |
それぞれ詳しく解説します。
目的
対話型AIが導入場面などを限定せず、柔軟に回答できるシステムであることに対し、チャットボットは特定のタスクを効率的に行うことに特化しています。
具体的には、カスタマーサポートやFAQに対する応答、予約対応など、特定のタスクを自動化することを主な目的としています。
応答レベル
対話型AIはユーザーの意図を推察して回答するため、より自然で高度な会話をすることができます。
もちろん単純な質問などにも回答しますが、回答するだけではなく、AIから質問を投げかけたりという双方向のコミュニケーションなども可能です。
チャットボットは基本的に、設定されたシナリオやデータに基づいて、限られた問い合わせに対して回答を提示するものであり、端的に分かりやすく、比較的シンプルな応答を行います。
応用範囲
対話型AIは目的を限定しないため、カスタマーサポートから日常会話まで、幅広いシーンで柔軟に活用することができます。
チャットボットは、社内外の業務効率化や、マーケティング活用、販促活用など目的を特化させて導入される場合が多く、シナリオやルールに沿っているため、応用範囲は対話AIと比較すると狭いと言えます。
チャットボットについては以下の記事でも詳しくご紹介しています。
AIチャットボットとは?基本的な仕組みと活用がおすすめのシーン
対話型AIはチャットボットに搭載することができる
近年、対話型AIは多くのチャットボットに搭載されています。
あとからAPI連携で搭載する場合や、初めから対話型AIを搭載しているツールを提供している場合もあります。
チャットボットに対話型AIを搭載することで、より自然で柔軟な対応が期待できます。
対話型AIを搭載したチャットボットが業務効率化に繋がる理由
対話型AIを搭載したチャットボットが業務効率化につながる理由には、以下のようなものがあります。
- 定型業務の自動化
- 日中の問い合わせ量の分散
- 効率的な人員配置によるリソースの最適化
- ビジネスインサイトの獲得
- 顧客に合わせた販促
それぞれ詳しく解説します。
定型業務の自動化
対話型AIを活用し、定型的な手続き対応やよくある質問への回答といった定型業務を自動化できれば、人的リソースを重要な業務にあてることができます。
日中の問い合わせ量の分散
対話型AIは24時間365日問合せに自動で対応してくれるため、業務効率化に繋がります。
具体的には、社外向けであれば営業時間に関わらず問い合わせを受けられることで、日中に集中していた問い合わせ数を分散させることができます。
また、社内向けであれば、社内FAQなどに対話型AIを導入した場合、社員はいつでも迅速に疑問を解消でき、社員一人ひとりの時間の有効活用と、ヘルプデスクの負担軽減が期待できます。
効率的な人員配置によるリソースの最適化
対話型AIは、人手不足もカバーしてくれます。
前述のように、対話型AIが自動で行う作業が増えれば、自動化できない業務にリソースを割けるので、効率的に人員を配置することが可能です。
効果的に運用できれば、自動化できる業務が増える可能性もありますので、企業の人的リソースの更なる最適化に繋がるでしょう。
ビジネスインサイトの獲得
対応ログを取得することで、ユーザーのニーズや嗜好、活動時間帯などの貴重なビジネスインサイトを効率的に集めることができます。
マーケティング戦略の立案や自社商品やサービスの改善に役立てることができ、企業にとって大きな利益を生み出す可能性があります。
顧客に合わせた販促
対話型AIは顧客のニーズや問題を推測することができるため、購入する可能性が高いと思われる商品やサービスをオススメすることができます。
顧客一人ひとりに合った販促をすることで、効率的に売上・成約率アップを実現できるでしょう。
対話型AIの課題
企業にとってメリットの多い対話型AIですが、他のサービスと同様、課題も存在します。
対話型AIが抱える課題には、以下のようなものがあります。
- 回答の偏り
- 自然言語処理技術の限界
- セキュリティ
それぞれ詳しく解説します。
回答の正確性
対話型AIは、学習したデータに基づいて回答するため、データ自体が間違っている、データ量が少なく偏りがある、情報が古い、といったことがあれば、正しい回答を提示できない場合もあります。
現時点では、対話型AIは会話の正当性を間違いなく正確に判断することは難しく、道徳観や倫理観を欠いた回答をする恐れもあるため、学習データの内容には留意するようにしましょう。
また、現状のAIでは、道徳観や倫理観は伴わないため、不適切な回答を提示することがありますので、学習データの内容には留意するようにしましょう。
自然言語処理技術の限界
多くの対話型AIでは、ある程度の言い間違いやタイプミスにも対応できる自然言語技術を持っていますが、それでも完璧にユーザーの発言内容を認識できるわけではありません。
特に話し言葉では、表現の揺れや方言などのイントネーションの違い、流行り言葉などもあるため、全てを認識することは困難であり、自然言語処理技術にも限界があると覚えておきましょう。
セキュリティ
対話型AIはユーザーとのやり取りを通しても学習していきますが、そのやり取りの中に個人情報が含まれている場合、その取り扱いには注意が必要です。
企業による取り扱い方法に留意することはもちろん、サーバー攻撃に遭った場合の個人情報流出リスクについても理解しておきましょう。
そのようなリスクを出来るだけ下げるためには、提供しているベンダーが利用しているサーバーの安全性やセキュリティ認証の取得の有無、対話型AIサービス自体に施されている対策内容などについても事前に確認しておくことをおすすめします。
対話型AIの活用例
対話型AIの活用例には、以下のようなものがあります。
- カスタマーサポート
- オンラインショッピング
- 飲食店や宿泊施設
- 自治体窓口
- 銀行
- 不動産
- 医療施設
具体例も交えながら、それぞれ詳しく解説します。
カスタマーサポート
対話型AIは24時間365日、ユーザーの問い合わせに対応することができるため、カスタマーサポートに導入されているケースが多いです。
また、対話型AIは学習を繰り返すことで回答精度が高まっていくため、問い合わせが多く寄せられるカスタマーサポートは、非常に適した環境であると言えます。
オンラインショッピング
カスタマーサポートと同様、時間を問わずに対応できるほか、過去の購入履歴や閲覧履歴を元に、顧客のニーズに沿った商品をおすすめすることができます。
また、対話型AIがリアルタイムで質問にも答えることができるため、顧客の不安解消や購入の後押しをする役割も担います。
飲食店や宿泊施設
対話型AIとシステムの連携を行うことで予約受付や注文業務も自動で行うことができるため、飲食店や宿泊施設でも活用されています。
具体的には、対話型AIが空席確認や予約、キャンセル手続きなどを自動で行うほか、飲食店ではおすすめメニューの紹介、宿泊施設では旅行プランの提案や観光地紹介などのサポートをすることができます。
また、対話型AIの中には多言語対応ができるものもあり、外国人観光客からの問い合わせにも活用することができます。外国人観光客に対してもスムーズな対応を行えるでしょう。
自治体窓口
対話型AIは企業だけでなく、自治体窓口でも活用されています。
対話型AIを自治体窓口に導入することで、限られた平日の時間内に集中しがちな窓口での待ち時間の短縮や、職員の負担の軽減に繋がります。
自治体窓口は受付時間が限られている場合が多いので、待ち時間の短縮や職員の負担軽減だけではなく、時間外に住民がサービスを受けることができる点では住民の利便性向上にも貢献します。
銀行
銀行では、対話型AIが金融アドバイザーとしての役割や、ローン審査のサポートを行うことができます。
具体的には、AIが銀行取引の履歴を元に予算管理や貯金計画、投資に関する提案などを行ったり、ローン審査に必要な書類の収集、審査状況の確認などのサポートを行います。
不動産
対話型AIを活用すれば、物件検索から内見、審査、契約といった一連の流れを自動で行うことも可能です。
社員の業務効率化はもちろんのこと、顧客にとっても、足を運ぶ時間の節約になり、顧客満足度の向上も期待できます。
医療施設
対話型AIが症状に基づいた初期診断を行い、適切な医療機関の紹介や助言を行うことができます。
また、ユーザーの食事内容や運動状況、睡眠などを分析し、健康管理のアドバイスを行ったり、ユーザーの心理的背景を推測し対話を通じたサポートを行ったりといった、ヘルスケアやメンタルケアとしても、活用されます。
対話型AIが搭載されたチャットボットを活用して業務効率化を促進しよう
対話型AIとは、高度で柔軟なやり取りを可能にするシステムであり、チャットボットに搭載することで、単なるチャットボットよりも得られるメリットは大きくなるでしょう。
対話型AIはカスタマーサポートをはじめとし、自治体や医療施設などさまざまな分野で活用することができますが、他のサービスと同様に注意すべき点も存在します。
導入を考えている場合は、対話型AIがもつ課題も理解しながら、適切な利用をし、業務効率化に役立てていきましょう。
AI型チャットボットを試すならCAT.AIがおすすめ
トゥモロー・ネットが提供するCAT.AIは、ボイスボット(音声対話AI)とチャットボット(テキスト対話AI)を同時に使用できる最新型の「ナビゲーション型」対話AIです。
ボイスボットの利点とチャットボットの利点を最大限に活かし、初めて使うユーザーにもわかりやすく「ナビゲーション」することで、AI対応の完了率を向上してくれます。
簡単にデモ体験も実施いただけますので、AI型チャットボットの導入を検討の際は是非お問い合わせください。
この記事の筆者
株式会社トゥモロー・ネット
AIプラットフォーム本部
「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、生成AIと連携したサービス「CAT.AI GEN-Bot」を筆頭に6つのサービスが含まれ、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。