オペレーターに繋がらない原因と対策|コールセンターの応答率改善

2025.02.06

コールセンター(コンタクトセンター)に電話をした際に、すぐにオペレーターに繋がらなかったり、待たされたりといった経験は、顧客満足度や企業イメージの低下を招く恐れがあります。特に、「いつも電話が繋がらない」という印象を持たれてしまった場合には、売上などにも悪影響を及ぼすことが懸念されます。

今回はオペレーターに繋がらない原因とコールセンター側の具体的な対策について解説します。「なぜいつも混雑してしまうのか」「有効な対策を知りたい」など、コールセンターの応答率の課題解消方法に悩む方の参考になれば幸いです。

オペレーターに繋がらない原因

コールセンターなどにおいてオペレーターに繋がらない原因は、主に以下の4つであることが多いです。

  • オペレーターの人員不足
  • 一件当たりの対応時間が長い
  • 対応チャネルが少ない
  • 一時的な問い合わせの増加

それぞれ詳しく見ていきましょう。

オペレーターの人員不足

オペレーターに繋がらない原因として最も多いのは、入電件数に対してオペレーターの人員が足りていないことです。

コールセンター業務は「クレーム対応など負荷が高い」などのイメージから人材が集まりにくい傾向にあり、またせっかく入社した人材も定着する前に離職してしまうという悪循環に陥っているケースも少なくありません。

こういった背景から、コールセンターは慢性的な人手不足(もしくは章内の言葉を合わせるなら人材不足?)の課題に悩まされています。

一件当たりの対応時間が長い

オペレーターの人員が十分な場合でも、一件当たりの対応時間が長くなると、繋がらない・待たされる状況を招いてしまいます。対応時間が長くなってしまう要因は、以下のようなものが考えられます。

  • 回答の提示に時間がかかる
  • 顧客特定や状況確認に時間がかかる

複雑な問い合わせの場合、回答内容の調査が必要などすぐに回答できないことがある他、オペレーターの知識や経験値によっても回答に時間がかかってしまう場合があります。また、オペレーターが過去の対応履歴や顧客情報を確認したり、修理依頼の際に顧客に故障状況を確認してもらったりと、個人情報の特定や状況確認が必要な際にも一件の対応時間が長くなります。

待ち時間が長くなると顧客の不満が募り、オペレーターに繋がった際に用件に入る前にクレーム対応が発生し、対応時間が長くなるケースもあるのです。

対応チャネルが少ない

コールセンターにおける「チャネル」とは、電話やメール、チャットなど顧客とやりとりを行う手段を指します。問い合わせチャネルが電話のみなど、対応チャネルが少ない場合は電話に問い合わせが集中するため、オペレーターに繋がらない原因となります。

また、複数のチャネルを用意していたとしても「顧客にとって利便性が良くない」「認知度が低い」などの理由から活用されていないケースもあります。結果、電話に問い合わせが入って来てしまい、オペレーターに繋がりづらい状況に陥る場合があります。

一時的な問い合わせの増加

コールセンターによっては問い合わせが集中しやすい時間帯があり、一時的にオペレーターに繋がらなくなる場合があります。特に営業開始直後や営業終了前、お昼休憩の時間帯などは電話が集中しやすい傾向にあり、繁閑差に合わせて人数を増やすことも難しいため、オペレーターに繋がりにくい原因となります。

オペレーターに繋がらないことで生じる問題

オペレーターに繋がらない状態が頻発すると、以下のような問題が生じるリスクがあります。

  • 企業イメージの低下
  • 機会損失
  • クレームの増加

それぞれ詳しく解説します。

企業イメージの低下

コールセンターは顧客と直接やりとりを行うため、企業イメージと直結して考える顧客も少なくありません。そのため、なかなかオペレーターに繋がらずストレスを感じたり、繋がらないことで問い合わせを諦めてしまうこともあり、企業に対して不満や不信感を抱き企業イメージの低下を招くことがあります。

企業イメージの低下は売上にも影響を及ぼす場合があるため、オペレーターに繋がらない問題はコールセンターだけに留まった問題ではなくなっていると言えます。

機会損失

オペレーターに繋がらないことで、新規顧客やリピーターを獲得するチャンスを逃すことがあります。せっかく申し込みや購入をするために電話をかけたとしても、電話が繋がらなければ他の企業を検討してしまうこともあるでしょう。

さらに「あふれ呼」や「放棄呼」が日常的に発生してしまっているコールセンターの場合、「電話をかけても繋がらない」というイメージが浸透してしまい、入電件数自体の減少、そして売上低下に繋がることも懸念されます。

あふれ呼とは

あふれ呼とは、コールセンターへ問い合わせが集中することで、オペレーターが対応できずにあふれてしまった呼(コール)を指します。あふれ呼が発生した場合には、「ただいま大変混み合っております」などの自動音声や不通音が流れ続けるため、顧客はストレスを感じやすくなります。

放棄呼とは

放棄呼とはアバンダン・コールとも呼ばれ、待ち時間が長すぎることなどからオペレーターに繋がる前に顧客が切ってしまった呼(コール)や、混雑を判断したシステム側で機械的に切断したコールを指します。あふれ呼と同様、顧客にとっては電話が繋がらないことでフラストレーションが溜まる要因となってしまいます。

クレームの増加

待ち時間が長いことでストレスや不満を抱えた顧客は、電話が繋がった途端に激しい口調でオペレーターを責めてしまうケースがあります。ちょっとした問合せや確認もクレームに発展してしまうことも多くなります。

また、Webの口コミなどに「30分以上待たされた」「わざと待たせているように感じる」などといった書き込みをされる可能性もあります。

また、このような電話を受けたオペレーターの心理的負担は非常に大きく、ストレスから離職に追い込まれてしまう方も少なくありません。

コールセンターにおける混雑対策

コールセンターにおける混雑対策には、以下のような方法があります。

  • オペレーターの育成強化
  • 運用フローの見直し
  • 電話以外のチャネル設置
  • アウトソーシングの利用
  • AIツールの導入による自動化促進

以下で詳しくご紹介します。

オペレーターの育成強化

オペレーターの育成を強化することは、コールセンターの混雑対策として非常に重要です。一人ひとりがスキルアップすることにより、回答を提示するまでの時間が短縮され、対応時間を削減することに繋がります。

オペレーターの育成では、経験豊富なオペレーターによる講習やフローの再確認、ロールプレイングなどで実習を重ねることなどが有効です。

運用フローの見直し

運用フローを見直すことも、コールセンターにおける混雑対策には効果的です。例えばマニュアルやトークスクリプトを出来るだけ簡潔になるよう改善することや、自己解決を増やし電話への流入を削減できるようにWEBページの見直しをすることなどがそれに当たります。

WEBページでは特にFAQ(よくある質問と回答)のページを充実させることで、オペレーターに問い合わせせずとも顧客が自己解決できるようになり、問い合わせ件数を削減させることに繋がります。

電話以外のチャネル設置

問い合わせチャネルが電話のみである場合は、他のチャネルを増やすことで混雑対策になります。WEBページの問い合わせフォームやメール、チャット、SNSなど多くのチャネルがありますので、顧客層などに留意しながら自社に適切なものを選定すると良いでしょう。

ただし、チャネルを増やすことでオペレーターの業務負担の増加や混乱などを招くことも懸念されますので、現状の運用フロー(もしくはオペレーション)の変更が極力少ないものにするなどの工夫が必要となります。

アウトソーシングの利用

人員数が足りないことによって混雑に繋がっている場合は、アウトソーシングを利用することも一つの方法です。アウトソーシングとは、業務の一部を外部に委託することを意味し、コールセンターの場合は問い合わせ対応を外部の事業者に委託し、自社の人員不足をカバーします。

自社にコールセンターを設けず、問い合わせ対応全体を外部委託する場合もあれば、自社で補えない範囲を部分的に委託する場合もあります。アウトソーシングでは自社の情報や顧客情報が外部に渡ることになりますので、委託先のセキュリティレベルについて確認するなど企業選びは慎重に行うことが大切です。

AIツールの導入による自動化促進

AI型チャットボットやボイスボットなどのAIツールを導入することで、コールセンターの混雑対策に繋がります。

AIチャットボットとは

AI型チャットボットとは、顧客とテキストを用いて自動でやり取りを行うシステムです。導入先は主にホームページ上であり、「何かお困りですか?」などの文言と共に画面上に設置しFAQ対応をはじめとした顧客のサポートを行います。

また、問い合わせ対応の自動化としても活用が可能で、チャットで問い合わせをしてきた顧客に自動で回答を提示することが出来ます。コールセンターに導入する場合は、主に「顧客の自己解決を促し、問い合わせ件数を削減する」ことに役立ちます。

ボイスボットとは

ボイスボットは、音声でのやり取りを自動で行うことが出来るシステムです。ボイスボットは電話の問い合わせ対応に活用され、「有人オペレーターが対応せずともボイスボットで問い合わせを完結する」ことや、「有人オペレーターの負荷軽減のために一次対応や簡易対応を行う」ことを目的に導入されることが多いです。

ただし、AIツールは自社に適したものでなければ効果が発揮されにくいことや、回答精度を高めるには時間と労力がかかることを念頭に置く必要があります。導入にあたって企業の負担は一時的に増えることも考えられますが、「顧客対応の自動化が実現すること」は大きなメリットではないでしょうか。

コールセンターの応答率改善に取り組もう

オペレーターに繋がらない原因は、主に「人員が不足していること」や「対応時間が長いこと」、「問い合わせが集中すること」などが考えられます。電話が繋がらない原因はコールセンターによって異なるため、まずは自社における混雑の要因を明確にし有効な対策を検討しましょう。

具体的な対策としては、「オペレーターの育成強化」や「運用フローの見直し」、「アウトソーシングの利用」、そして「AIツールの導入による自動化促進」などが挙げられます。今回の記事でご紹介した内容を参考に自社に適した方法を検討していただけたら幸いです。

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ボイスボット×チャットボットの簡単デモ体験

この記事の筆者

TOMORROWNET

株式会社トゥモロー・ネット

AIプラットフォーム本部

「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、生成AIと連携したサービス「CAT.AI GEN-Bot」を筆頭に6つのサービスが含まれ、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。

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