AIエージェントとは?仕組みと特徴について解説します

2025.02.13

AIエージェントは、自律的に学習し、業務の効率化や意思決定をサポートする画期的な技術です。しかし、その仕組みや特徴を理解している人は多くありません。

導入すると大きなメリットがある一方で、仕組みを正しく理解していないと効果的な運用が難しくなります。

そこで今回は、AIエージェントの仕組みと特徴について解説します。生成AIとの違いやAIエージェントの種類、AIエージェントを導入するメリットも紹介しているので、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。

AIエージェントとは

AIエージェントとは、人工知能を活用して人間の代わりにタスクを実行する自律的なシステムのことです。従来のAIではできなかった複数のタスクや複雑なタスクを自動的に実行できます。

例えば、スケジュールの調整やデータの分析、ハイレベルな顧客対応などが可能です。業務効率を大幅に向上させるツールとして注目されています。

そんなAIエージェントがどのようなものなのか、以下で詳しくご説明します。

  • AIエージェントの仕組み
  • AIエージェントと生成AIの違い

AIエージェントの仕組み

AIエージェントは、入力されたデータを分析し、最適な判断を行う仕組みを持っています。目標は人間が設定しますが、その目標を達成するためのアクションは、AIが独自に判断します。以下が実際の流れです。

  1. データの収集と理解
  2. 判断
  3. アクションの実行
  4. 学習と適応

AIエージェントは、こうした段階を踏んで動作しています。例えばコールセンターなら、顧客の問い合わせを解決するために、自動的にAIエージェントが様々な質問をして回答を提示する、といった形です。

人間に近い形で考え、行動でき、かつ人間よりも早い処理能力でタスクをこなせます。

プライバシー保護やセキュリティ対策などに配慮する必要はありますが、今後のAI市場においてますます注目を集める仕組みといえるでしょう。

AIエージェントと生成AIの違い

AIエージェントと生成AIは似ていますが、目的や運用方法などに違いがあります。

AIエージェント生成AI
目的業務タスクの自動化コンテンツ生成
専門性なし。汎用性を重視言語や画像など特定の分野に特化
運用方法自律型ユーザーが指示を出す
作業内容データの検索
ファイル管理
ナビゲーション
アシスタント
テキスト生成
画像生成
動画生成
音声合成

AIエージェントは自律型なので、特定のタスクを実行しながら環境に応じて判断が可能です。そのため、専門性よりも汎用性が重視されており、業務タスクの自動化などを得意としています。

一方の生成AIは、文章や画像を新たに生成するのが得意です。そのため、創造性を求められる場面で活用されています。

それぞれの特性を理解して、目的に合ったAI技術を選ぶと良いでしょう。

AIエージェントの種類

一口にAIエージェントといっても以下の5つにわけられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

  • 反射エージェント
  • 目標ベースエージェント
  • 効用ベースエージェント
  • 学習エージェント
  • 階層型エージェント

反射エージェント

反射エージェントは、単純なルールに基づいて行動を起こすAIです。単純反射エージェントとモデルベース反射エージェントの2種類があります。

  • 単純反射エージェント:事前に定義された条件と行動のルールに基づいて動作する
  • モデルベース反射エージェント:内部に保持しした環境のモデルに基づいた意志決定を行う

単純反射エージェントとして最も身近にあるのは、特定の入力内容に対して決められた応答をするチャットボットのようなシステムです。単純な業務の自動化に適しています。

一方で、モデルベース反射エージェントは、環境の状態を内部モデルとして持っているので、状況の変化に応じて適切な行動を選択できます。障害物を避けるロボットの動作をイメージするとわかりやすいでしょう。

目標ベースエージェント

目標ベースエージェントは、特定の目標達成に向けて予測と推理を行い、最適な行動を選択するAIです。現在の行動から導かれる将来的な結果に基づいて意志決定をするため、より柔軟に目標に対してアプローチすることができます。

自動運転のシステムをイメージするとわかりやすいでしょう。安全で効率的な走行という目標に向けて、常に変化する道路情報を基に最適な運転操作をしています。

効用ベースエージェント

効用ベースエージェントは、複数の選択肢から最も有益な結果を選ぶ仕組みのAIです。複数の選択肢の中から、最も効果的で満足度の高い行動を自律的に選択できます。

身近なものでは、金融市場で売買を行うトレーディングボットが該当します。収益最大化を追求しながらリスクも考慮しつつ、最適な投資判断を下してくれます。

学習エージェント

学習エージェントは、過去のデータを学習して行動を改善できるAIです。経験を重ねるほどパフォーマンスを向上でき、与えられたタスクを繰り返す中で、徐々に最適な行動戦略を身につけていきます。

例えば、チャットボットが利用者の質問傾向を学ぶケースが当てはまります。使えば使うほど精度が高くなり、ユーザーが望む回答を瞬時に導けるようになるでしょう。他にも、対戦型ゲームのAIプレイヤーのシステムにも活用されています。

階層型エージェント

階層型エージェントは、複数のエージェントを統合して複雑なタスクを処理するAIです。下位エージェントが特定のサブタスクを担当し、上位エージェントがそうした活動を調整して全体の目標を達成します。会社組織をイメージするとわかりやすいでしょう。

大規模で複雑なシステムを効果的に管理できる点が特徴で、製造業の生産ラインや物量倉庫など、多数のロボットが連携しながら業務を遂行する場面で活用されています。

AIエージェントの3つの特徴

AIエージェントには、以下の3つの特徴があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

  • 自律的に行動する
  • 継続的に学習し、適応する
  • 複数のエージェントで連携できる

自律的に行動する

AIエージェントは、自ら判断して行動する能力を持っています。自動的にタスクを管理し、定義された目標に向け行動を調整します。複雑な問題解決やプロジェクト管理も効率的に実行できるでしょう。

特定の作業の優先順位を自動で設定し、必要に応じて自らリソースを割り当てるようになるので、人間が手を離しても業務が進行します。

継続的に学習し、適応する

AIエージェントは、従来のAIとは異なり、使用状況や環境の変化に応じて学習を続けます。実行したタスクから学び、その経験を基にパフォーマンスを向上できるのです。

そのため、ユーザーの好みに合わせて提案内容を変えるといった対応も自動でしてくれます。より効率的に目的に合わせた行動ができるようになるでしょう。

複数のエージェントで連携できる

AIエージェントは、複数のエージェント同士で連携することも可能です。連携によって、更に高度な業務を効率化できるメリットがあります。供給チェーン管理や大規模なプロジェクトといった、多くのタスクが必要な業務でも遂行できるようになります。

例えば、在庫管理AIと顧客対応AIを統合すれば、物流と販売をスムーズにできるようになります。連携による相乗効果は非常に大きなものとなるでしょう。

AIエージェントを導入・活用するメリット4選

AIエージェントを導入・活用すると、以下のメリットを得られます。

  • 業務効率を大幅に向上できる
  • 24時間365日運用ができる
  • 正確性と一貫性を向上できる
  • データに基づいて最適な意思決定ができる

業務効率を大幅に向上できる

AIエージェントを導入・活用すると単純作業を自動化できるため、業務効率を飛躍的に向上させられます。従来のAIと異なり複雑なタスクでも処理が可能なので、複数の工程が必要な業務も任せられます。

結果、人的リソースを人だからこその価値を発揮できる業務に割り振れるようになり、企業の競争力を強化できるでしょう。

24時間365日運用ができる

AIエージェントには休みの概念がありません。24時間365日、稼働し続けられます。そのため、カスタマーサポートや監視業務のような常に対応が必要な業務でも継続して運用できます。

また、顧客対応などのデータを集めることができ、分析して次に活かしてくことも可能です。人手不足の解消や運用コストの削減にも期待できるでしょう。

正確性と一貫性を向上できる

AIエージェントには、環境などの影響で作業品質が低下するといったことが起こりません。そのため、商品やサービスに対して正確性と一貫性を向上できるメリットがあります。

結果、サービス品質が安定し、顧客満足度を向上できます。

データに基づいて最適な意思決定ができる

AIエージェントは大量のデータを瞬時に分析し、過去の経験や現状に基づいて最適な判断を下します。市場分析や在庫管理などの、過去の例を元に複雑なデータ処理が必要な場面で活躍してくれるでしょう。

継続して使用すると更にデータを蓄積できるため、より精度の高い判断も可能になります。意志決定の質向上において、非常に重要な役割を果たしてくれるでしょう。

AIエージェントを活用できるサービス

AIエージェントは、以下のように様々な分野で活用されています。

  • カスタマーサービス
  • 人事サポート
  • 工場の生産ライン
  • マーケティング
  • 自動運転

上記のようにAIエージェントによる顧客サポートや、自動車の運転支援が代表的なものです。工場の生産ラインでは、ラインの最適化はもちろん、予防保守によって機械の故障や生産停止のリスク削減に活用されています。

AIエージェントは、これからに期待される技術です。今後ますます導入・活用する企業が増えていくでしょう。

AIエージェントとは業務効率化やデータ分析に優れたAI

AIエージェントは、従来のAIと違い自分で判断して最適な行動を選択するAIです。そのため業務効率化やデータ分析に優れており、様々な分野での活用が見込まれています。

単なる自動化ツールではなく、人間の創造性や判断力を補完し、新しい価値を生み出してくれます。今後のビジネスにおいて、ますます欠かせない存在となっていくでしょう。

トゥモロー・ネットが提供するCAT.AI GEN-Botは、生成AIと連携し企業が保有するあらゆるデータベースに基づいてテキストだけではなく、画像やフォームも使いながら適切な回答を作成・提示し、パーソナライズした対応で問題解決に導くことができるシステムです。

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この記事の筆者

TOMORROWNET

株式会社トゥモロー・ネット

AIプラットフォーム本部

「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、生成AIと連携したサービス「CAT.AI GEN-Bot」を筆頭に6つのサービスが含まれ、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。

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