AIエージェントの使い方と業務活用のヒント|具体例と導入の進め方を解説
AI活用の検討が進む中で、「AIエージェント」という言葉を目にする機会は増えています。一方で、「何ができるのかは分かってきたものの、実際にどう使えばよいのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
AIエージェントは単体のツールとして導入するだけでは十分に効果を発揮できるとは限りません。重要なのは、自社の業務の中でどのように役割を持たせ、どのタスクを任せるのかという“使い方の設計”です。
本記事では、AIエージェントの基本的な使い方から、業務への具体的な組み込み方、導入の進め方までを整理します。自社のどの業務に適用できるか、どのように使えば効果につながるのかを考えるための整理材料として活用してください。
Index
AIエージェントの使い方を理解するための前提知識
AIエージェントの使い方を考えるうえでは、まず前提となる考え方を整理しておくことが重要です。ここが曖昧なままだと、導入しても活用が進まないケースが多く見られます。
AIエージェントの基本と役割
AIエージェントは、業務全体を代替するものではなく、特定のタスクを処理する役割を持つ仕組みです。たとえば、問い合わせの一次対応、情報の検索や整理、入力処理など、業務の一部を切り出して担う形で活用されます。
そのため、重要なのは「どの業務を任せるか」ではなく、「どのタスクを任せるか」という視点です。この考え方が、後の設計や運用に大きく影響します。
生成AIとの違いと使い分け
生成AIは主に文章生成や要約などのアウトプット生成に強みがありますが、AIエージェントは生成AIの機能を活用しながら、情報の理解・検索・回答といった複数の処理を一連の流れとして実行する役割を持ちます
例えば、問い合わせ内容を理解し、必要な情報を検索し、回答を生成し、必要に応じて次の処理に引き継ぐ、といった一連の流れを担うのがAIエージェントです。
そのため、生成AIは「機能」、AIエージェントは「業務の流れに沿って一連のタスクを実行する仕組み」として整理すると分かりやすくなります。
生成AIとの違いをより詳しく知りたい場合は、「AIエージェントと生成AIの違い」を解説した記事も参考になります。
関連記事:AIエージェントと生成AIはどう違う?初心者向けに徹底解説
AIエージェントの使い方が重要な理由
AIエージェントは導入するだけで成果が出るものではなく、業務の中でどう使うかが重要になります。
下記のような状態では、活用が定着せず、十分な効果につながりにくくなります。
- どのタスクを任せるのかが曖昧
- 人との役割分担が不明確
- 運用や改善の前提がない
そのため、AIエージェントを導入する際には、業務の中での役割や使い方をあらかじめ整理しておくことが重要になります。
AIエージェントの基本的な使い方と活用方法

AIエージェントの使い方は大きくいくつかのパターンに整理できます。まずは基本的な活用方法を押さえておくことで、自社への適用イメージが持ちやすくなります。
定型業務におけるAIエージェントの使い方
繰り返し発生する定型業務は、AIエージェントの活用に適しています。問い合わせ対応や受付業務など、一定のルールに基づいて処理できる業務が該当します。
特に、問い合わせの一次対応や内容の振り分けなど、タスク単位で切り出せる業務に対して役割を持たせることで、より効果的に活用できます。
こうした業務では、対応品質の標準化や処理スピードの向上といった効果が期待できます。
情報処理におけるAIエージェントの使い方
AIエージェントは情報の整理や処理にも活用できます。例えば、問い合わせ内容の分類、社内ナレッジの検索、情報の要約などです。
これらの処理を単体で行うのではなく、「分類する」「検索する」「要約する」といった複数のタスクを役割として持たせることで、一連の処理として実行できます。
これにより、人が行っていた確認作業や整理作業を効率化することが可能になります。
業務フローの中でのAIエージェントの使い方
単体のタスクだけでなく、業務の流れの中で活用することも重要です。例えば、問い合わせ受付から回答、記録、分析までの一連の流れを部分的に担う形です。
AIエージェントは、それぞれの工程に対して役割を分担しながら連携することで、業務フロー全体の一部を担うことができます。
このように、複数の処理をつなぐことで、より実務に近い形で活用することができます。
業務全体での活用を検討する場合は、「AIによる業務効率化の進め方」についてもあわせて整理しておくと有効です。
関連記事:AI活用で業務効率化!仕事の生産性を向上させる方法
AIエージェントの使い方【業務別の具体例】

ここでは、実際の業務における使い方のイメージを部門別に整理します。個別のタスク単位で使うだけでなく、業務全体の流れの中でどのように役割を持たせるかがポイントです。
カスタマーサポートでの使い方
カスタマーサポートでは、問い合わせ受付から対応、後処理までの一連の流れで活用できます。
問い合わせ対応は複数のタスクで構成されており、それぞれに役割を持たせることで、業務の流れの中でAIエージェントを活用できます。
- 問い合わせの一次対応
- 内容の分類と適切な振り分け
- 対応履歴の記録や整理
これにより、オペレーターの負担軽減と対応品質の安定化が期待できます。
営業・マーケティングでの使い方
営業やマーケティング領域では、見込み顧客(リード)対応や情報整理に活用されます。
リード対応においても、「問い合わせ対応」「情報整理」「フォロー」といった複数のタスクに分け、それぞれをAIエージェントが担う形で活用できます。
- 問い合わせへの初期対応
- 顧客情報の整理
- フォローアップの補助
人の判断が必要な部分を残しつつ、前後の処理を効率化する形で活用されます。
バックオフィス業務での使い方
バックオフィスでは、社内問い合わせや申請処理などでの活用が考えられます。
これらの業務も、「受付」「内容確認」「処理」といったタスクに分解し、役割を持たせることで効率化が可能です。
- 社内からの問い合わせ対応
- 申請内容の確認や分類
- 定型処理の自動化
業務の属人化を防ぎ、効率化につなげることが可能です。
AIエージェントの導入と活用の進め方|5つのステップ
実際に業務に取り入れる際には、段階的に進めることが重要です。以下のステップで整理すると、導入のイメージが具体化しやすくなります。
ステップ1:AIエージェントに適した業務を見極める
AIエージェントの導入を検討する際には、まずタスク単位で切り出しやすい業務を選定します。すべてを対象にするのではなく、効果が出やすい部分から始めることがポイントです。
特に、問い合わせ対応や情報整理など、繰り返し発生し一定のルールで処理できる業務から着手すると効果が出やすくなります。
ステップ2:業務をタスク単位に分解する
対象業務を整理する際には、業務を細かいタスクに分け、どの処理が自動化可能かを検討します。この段階で、AIエージェントの適用範囲が明確になります。
例えば、「受付」「内容確認」「回答」「記録」といったように分解すると、どこに適用できるかが見えやすくなります。
ステップ3:AIエージェントの役割を設計する
設計の段階では、各タスクに対してAIエージェントがどのような処理を担うのかを定義します。ここでの設計が、活用がうまくいくかどうかを左右します。
単に自動化するのではなく、「どこまで任せるか」「どこで人に引き継ぐか」といった観点で設計することが重要です。
ステップ4:人との役割分担を決める
活用を進める際には、すべてをAIに任せるのではなく、人が対応すべき領域を明確にします。個別判断や例外対応が必要な部分を中心に役割を分けることが重要です。
これにより、品質と効率のバランスを取りやすくなります。
ステップ5:連携と運用を前提に改善する
導入後は、実際の運用を通じて改善していくことが重要です。業務全体の流れの中で最適化していくことが求められます。
運用データをもとにチューニングを行い、精度や対応範囲を徐々に広げていくことで、効果を最大化できます。
AIエージェント活用でつまずきやすいポイントと注意点
AIエージェントの活用においては、いくつかのつまずきやすいポイントがあります。事前に理解しておくことで、導入後のトラブルを防ぐことができます。
AIエージェントに業務全体を任せてしまうケース
AIエージェントを導入する際に、タスク単位で分けずに業務を丸ごと任せてしまうと期待した成果が得られにくくなります。
特に、判断や例外対応を含む業務をそのまま任せてしまうと、対応品質が不安定になりやすくなります。タスク単位で切り分け、適切に役割を持たせることが重要です。
AIエージェントの役割設計が不十分なケース
AIエージェントの導入時に、どの処理を担うのかが曖昧なまま進めてしまうと、結果的に使われなくなってしまうことがあります。これは、現場での使い方が定まらず、業務に組み込まれないためです。
「どのタスクをどこまで任せるのか」を明確にし、役割を具体的に定義することが重要です。
ツール起点で使い方を考えてしまうケース
AIエージェントの導入を機能ベースで進めてしまうと、業務との整合が取れず、活用が進まない原因になります。
「何ができるか」から考えるのではなく、「どの業務をどう改善したいか」から設計することが重要です。業務視点で整理することで、適切な活用につながります。
運用・改善まで設計に含まれていないケース
導入後にチューニングや見直しを行わない場合、効果が限定的になりやすく、継続的な改善が重要になります。
AIエージェントは一度設定して終わりではなく、運用を通じて精度や対応範囲を調整していくことで、効果が高まります。改善を前提とした設計が必要です。
AIエージェントの使い方を踏まえた今後の活用と展望
AIエージェントの活用においては、使い方によって得られる効果や活用の広がりが変わってくるため、「何ができるか」だけでなく、「業務の中でどう使うか」という視点が重要になります。特に、個別のタスクだけでなく、業務全体の中でどのように組み込むかという観点が重要です。
こうした流れの中で、複数のAIが役割分担しながら連携する「マルチAIエージェント」という考え方が注目されています。単一のAIでは対応しきれない業務も、役割ごとに分担することで、より実務に近い形での自動化が可能になります。
CAT.AI マルチAIエージェントは、こうした連携を前提に設計されており、問い合わせ対応だけでなく、CX設計や分析・改善まで含めた一連の業務を支援します。部分的な自動化ではなく、業務全体の最適化を目指したい場合に有効なアプローチです。
「どの業務からAIエージェントを活用すべきか」「どのように設計すればよいか」といった具体的な検討を進めるには、実際のユースケースや設計パターンを把握することが重要です。資料では、自社業務への適用イメージや導入の進め方、活用パターンを具体的に確認できます。検討の解像度を高めるための材料として、ぜひご活用ください。
この記事の筆者

株式会社トゥモロー・ネット
AIプラットフォーム本部
「CAT.AI」は「ヒトとAIの豊かな未来をデザイン」をビジョンに、コンタクトセンターや企業のAI対応を円滑化するAIコミュニケーションプラットフォームを開発、展開しています。プラットフォームにはボイスボットとチャットボットをオールインワンで提供する「CAT.AI CX-Bot」、複数AIエージェントが連携し、業務を自動化する「CAT.AI マルチAIエージェント」など、独自開発のNLP(自然言語処理)技術と先進的なシナリオ、直感的でわかりやすいUIを自由にデザインし、ヒトを介しているような自然なコミュニケーションを実現します。独自のCX理論×高度なAI技術を以て開発されたCAT.AIは、金融、保険、飲食、官公庁を始め、コンタクトサービスや予約サービス、公式アプリ、バーチャルエージェントなど幅広い業種において様々なシーンで活用が可能です。

